今後も高い需要が望める介護士は、現在注目を集めている職種の一つです。しかし、自身の学歴を気にしていて中卒や高卒でも介護士になれるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
当記事では、介護士に学歴は必要なのか解説します。また、中卒・高卒でも介護士を目指す方法、学歴によって待遇が変わるかどうかも解説するため、介護士の仕事にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
※本記事内の「介護士」とは、介護のお仕事に携わる人全体を指しております。介護福祉士国家試験に合格した「介護福祉士」とは異なります。
介護士は、学歴を必須としないことがほとんどです。超高齢社会の現在、介護士の職種は需要が高まっています。そのため、学歴に自信がない方でも需要は高く、体が丈夫な若い世代の担い手を求めている事業所が数多くあるのです。
介護士は、資格やキャリアを重視する傾向にあります。学歴がなくても、介護・医療関係の資格保有者や介護経験者が求められる傾向です。
訪問介護では、有資格者以外は身体介護ができない定めでしたが、2024年4月以降は、施設従業者にも資格保有が義務付けられることになりました。そのため「有名大学卒業」よりも「介護・医療系資格」を取得した人の方が重宝されます。
これまで施設の介護士であれば、無資格でも働くことができましたが、2024年4月から施行される介護保険法改正により、施設従事者には「介護・医療系資格が必須」となります。そのため、今後はさらに学歴よりも資格保有者が優遇されることになるでしょう。
介護保険施設・事業者等が当該事業を行う事業所に従事する介護職員等を対象としたもので、学歴に関係なく、未経験から受講できる研修です。認知症の方に介護を行うための基礎を養える研修で、理念・知識・技術の基本を身に付けられます。
研修時間は6時間程度のため、容易に受講・取得が可能です。研修を修了することで、介護士の仕事に対する不安の軽減や、技術の土台として役に立つでしょう。
介護従事者かつ、医療・福祉関連の資格が未取得の方が対象ですが、申し込めば誰でも受講できます。これから介護士として働きたいと考えている場合は、事前に取得しておくことで就職活動を有利にすすめられます。
2024年4月以降、無資格で介護施設に採用になった場合、従事した日から1年以内に「認知症基礎研修」以上の資格取得が必要です。
しかし、新しい仕事を覚えながら研修を受講する負担は大きいかもしれません。できる限り、採用される前に取得しておくことがおすすめです。
介護・医療の資格を取得していないと、採用に不利になる可能性があります。採用が不利になる2つの原因は、以下の通りです。
多くの事業所では資格取得をサポートする仕組みがあり、受講費用を負担しているため、無資格の場合、採用に加え+αの費用が事業所側は必要になります。採用される側からすれば資格取得にかかる費用がなくなりますが、その反面、会社側の負担は増えてしまうのです。
資格保有者であれば問題なく従事してもらえるため、優遇されることが期待できるでしょう。介護・医療系の資格を持っていない場合、会社負担が生じ採用が不利になることも考えられるため、注意が必要です。
採用後に資格取得を目指す場合、受講日に休みが必要になります。介護業界では職員不足の事業所が多く、シフト変更や休みの取得が難しい場合も少なくありません。つまり、休みの調整が困難になるため、無資格の採用にはそれなりの負担が生じるのです。
また、受講ができても入職直後では有給が発生しておらず、欠勤扱いになる可能性もあります。一方、公休や出勤扱いで受講できる場合もあるため、従事する事業所に確認しておくとよいでしょう。
先に資格を取っておくと、これらのことを気にせずスムーズに働けるため、可能な限り事前に資格を取るのがおすすめです。
学歴がないため、資格を取れるのか気になる方もいるでしょう。介護士に必要な資格は、学歴に関係なく取得できます。中卒からでも取得可能でキャリアアップにもかかわる資格は、以下の通りです。
介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)は、介護士として必要である基礎知識や技術を習得できます。講義と実技演習により、未経験でも基本的なスキルを身に付けられるため、介護士としてスタートするのにおすすめの資格です。130時間の研修後、修了試験に合格して資格取得となります。
介護福祉士実務者研修は、国家資格である介護福祉士の受験に必要な実務研修です。誰でも受講が可能で、資格を持っていない方や介護が未経験でも受講できます。450時間のカリキュラムがあり、介護福祉士に必要な知識や技術などの20科目を学べるため、今後のキャリアアップも目指せます。
介護福祉士の資格取得を考えている方は、受講しておくとよいでしょう。
介護福祉士は、専門的知識や技術を活用しながら身体的・精神的障害による心身の状態に応じて介護を提供し、介護者に指導を行える国家資格です。学歴は関係なく、介護福祉士実務者研修取得後、3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了で受験が可能となっています。
専門的な国家資格なので、取得することでキャリアアップができるでしょう。
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、ケアプラン(介護サービス計画)の立案や利用者・家族と事業所の橋渡しを担いながら必要な支援をマネジメントする専門職です。
介護福祉士取得後、5年以上の実務経験と、介護支援専門実務研修受講試験の合格・介護支援専門員実務研修の修了を満たすことで、ケアマネジャーの資格を取得できます。長い道のりですが、学歴を気にせずケアマネジャーを目指すことは可能です。
また、学歴がある人も同様の流れで取得しています。さらにケアマネジャー取得後、実務経験を積むことで、主任ケアマネジャーの資格にもつなげられます。
中卒・高卒でも介護士になれると説明してきましたが、学歴によって待遇の違いはあるのでしょうか。学歴によって給与の差・求人の量に違いはあるのか見ていきましょう。
介護職は経験や介護・医療の資格などが評価されるので、学歴はほとんど重視されません。学歴を気にせず未経験からキャリアアップを目指せるため、待遇の差は生じないことがほとんどです。
介護業界では、学歴よりも実務経験や資格が重視されます。そのため、中卒であっても介護福祉士などの資格を取得し実務経験を積めば、高卒者や大卒者と同等の待遇を受けることが可能です。具体的には以下の通りです。
給与の種類 | 支給条件 |
給与 | 基本給は、介護福祉士などの資格や実務経験に基づいて決定されます。 |
手当 | 夜勤手当、休日出勤手当、残業手当などの各種手当は、職場の規定に基づいて支給されます。 |
社会保険 | 雇用保険や健康保険などの社会保険は、正社員であれば加入できます。 |
福利厚生 | 各種休暇や慶弔費などの福利厚生は、職場によって異なります。 |
ただし、一部の事業所では昇進や管理職への登用において学歴を考慮する場合があるため、注意が必要です。
中卒であっても介護福祉士などの資格を取得し、実務経験を積むことで給与を上げることができます。また、リーダーや主任などの役職に就けば、さらに給与アップが期待できます。具体的な給与の目安としては、以下の通りです。
資格・役職 | 月給 |
一般介護職員 | 18~22万円 |
介護福祉士 | 20~25万円 |
リーダー | 22~28万円 |
主任 | 25~30万円 |
※上記はあくまで目安であり、地域や施設、職種、勤務形態によって給与は異なります。
学歴により給与に差をつけている事業所もありますが、実務経験や資格によって評価されることがほとんどです。
求人の条件に対して、学歴は求められません。条件に資格が必要な介護職はありますが、学歴不問の事業所が多い傾向にあります。資格で求人の量は増えますが、学歴で差が生じることは少ないといえます。
介護業界は人手不足が深刻で、中卒でも多くの求人があります。介護職員の求人サイトや転職サイトなどで検索すると「中卒歓迎」の求人も多数見つけられるため、学歴を気にする必要はないでしょう。また、ハローワークや地域の介護施設に直接相談してみるのもよいでしょう。
中卒であっても、介護士として活躍することは可能です。介護士は学歴に関係なく、誰でも未経験からスタートできます。学歴よりも介護・医療系の資格や実務経験が重視されるため、就職活動の前には資格取得しておくと採用されやすくなるでしょう。
採用後も、必要な資格を取得し、実務経験を積むことで、給与アップやキャリアアップも目指せます。
介護業界は人手不足が深刻なため、中卒者でも多くの求人があり、学歴を気にせずチャレンジできる仕事といえます。自身の学歴に不安があり、中卒・高卒でも介護士になれるのか気にされている方は、ぜひ一度ジョブトル介護にご
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