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    介護職のパートのメリット・デメリット。給料や勤務時間を正社員と比較

    仕事を知る ぴったりな仕事を探すには コラム 2020/12/15

    介護職はパート勤務の方が多く活躍する現場です。

    こちらの記事では、介護職でパートとして働くことを考えている方に向け、パート介護士のメリットやデメリットを解説していきます。

    また、給料や勤務時間の観点からパートと正社員を比較し、どちらがおすすめなのかもみていきます。

    介護士として扶養内勤務を希望される方も、ぜひ参考になさってください。

    パート求人が多い?介護職の現状

    厚生労働省の調査によると、介護施設の非正規職員の割合は全体の約4割を占めています。

    訪問介護事業所ではその割合はさらに高く、69.7%が非正規職員です。

    年代・性別で見ると30代以上の女性職員が半数以上を占め、訪問介護の現場では60歳以上の職員が最も多く活躍しています。

    超高齢化社会にともない、2025年に必要とされる介護人材は約245万人

    有効求人倍率は毎年高い水準で推移しており、平成29年の有効求人倍率は、全産業1.5に対し介護職は3.5と2倍以上です。

    多くの人材が求められる介護職は、夜勤や早朝、短時間のみなどパート勤務の求人も多く見られる職種となっています。

    【参考】

    厚生労働省「介護人材の処遇改善について」

    厚生労働省「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」

    介護職のパート時給はどのくらい?正社員の給与との違い

    正社員とパート、それぞれの月給を比べると、その差は約20万円近くあることが分かります。

    また常勤・非常勤ともに、介護職員の給与は増加傾向にあります。

    介護従事者の平均給与 平成29年(単位:円) 平成30年(単位:円)
    月給の常勤 290,120 300,970
    時給の非常勤 103,300 105,030

    【参考】厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」

    正社員と給与差がある理由は?

    正社員とパートの給与差は、処遇改善加算保有資格保険加入の有無が影響していいます。

    処遇改善加算

    処遇改善加算とは、介護現場で働く職員の処遇改善を目的に、介護報酬が加算される制度です。

    最も多くの支給要件を満たす「加算Ⅰ」の場合は、介護職員1人あたり月額37,000円相当の介護報酬が加算されます。

    制度上、雇用形態や資格の有無などに関係なく、パート介護士も支給の対象となります。

    しかし職員の給与をどれだけ増やすかは、あくまでも事業所の対応に委ねられているのです。

    実際にはキャリアとスキルのある正社員ほど給与アップの対象になりやすく、パートと正社員の給与差に影響していると考えられるでしょう。

    保険加入義務

    パート勤務であっても、所定労働時間が週30時間以上、または下記の5つの条件すべてを満たしている場合には、社会保険加入の対象者となります。

    1. 所定同労時間が週20時間以上
    2. 月額賃金88,000円以上

    3. 1年以上勤務する見込みがある

    4. 学生ではない

    5. 従業員規模501人以上の企業

    通称「106万の壁」とも言われるこれらの条件に該当する場合には、月額賃金から社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が差し引かれます。

    支払うべき保険料の半分は企業が負担するため自己負担が少ないというメリットがある反面、それまで被扶養者であった方にとっては手取り額が減ることが大きなデメリットとなるでしょう。

    資格の有無

    国家資格である「介護福祉士」を保有している場合には、時給・月給ともに高くなります。

    介護福祉士の割合は正社員の方が高く、パートとの給料差の要因の一つです。

    介護職は無資格からでも始めることができる仕事ですが、キャリアを積み資格を取得することで、パートであっても給与アップを期待できるでしょう。

    パート介護士にもボーナスは支給される?

    介護労働安定センターの調査によると、事業所の約4割が非正規職員にも定期的に賞与を支給しています。

    賞与制度がない事業所は全体の約2割で、賞与制度があっても経営状態によって支払わないという事業所も多く見られます。

    賞与の額や条件は事業所によって異なるため、就職時にはあらかじめよく確認しておきましょう。

    【参考】介護労働安定センター「平成30年度介護労働の現状について」

    働く場で異なるパート介護士の時給

    非常勤の介護職員の平均時給は、約1,330円です。

    時給は働く場によっても異なり、訪問介護事業所が最も高い傾向にあります。

    訪問介護の現場は全体の約7割を非常勤職員が占めることも、時給に大きく影響していると言えるでしょう。
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    介護老人

    福祉施設

    介護老人

    保健施設

    介護療養型

    医療施設

    訪問介護

    事業所

    通所介護

    事業所

    通所介護

    事業所

    時給

    (単位:円)

    集計対象数(単位:人)
    800~899 251 80 18 156 310 319
    900~999 417 111 26 200 494 309
    1,000~1,099 315 95 21 320 274 175
    1,100~1,199 126 63 11 299 102 57
    1,200~1,299 51 25 431 49 21
    1,300~1,399 24 262 11
    1,400円以上 34 545 10

    {/quote}
    【参考】厚生労働省「平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果」

    介護職のパートは扶養内勤務できる?

    シフト勤務の多い介護職は、早朝のみ、夜間のみなどライフスタイルに合わせた勤務時間を選びやすい仕事です。

    また、訪問介護は短時間単位で仕事を受け持つことができます。

    時短勤務が可能な職場であれば、扶養内で働くことも十分可能です。

    扶養内勤務を希望する場合は面接時によく相談しておきましょう。

    介護職のパートの仕事内容・勤務時間は?

    介護の現場ではたくさんのパート介護士が活躍しています。

    仕事内容や勤務時間は、正社員とどのように違うのでしょうか。

    介護職の正社員とパートの勤務時間の違い

    正社員の労働時間は、休憩1時間を含む8時間が一般的です。

    夜勤のある事業所や施設では、日勤・夜勤をシフト制で担当します。

    一方、パートの勤務時間は短時間が基本です。

    午前、または午後のみといった働き方のほか、時給の高い夜勤専従勤務といったケースもみられます。

    正社員とパートの仕事内容の違い

    実際の介護現場では、正社員とパートで大きな仕事内容の違いはありません

    どちらも身体介助や生活援助など、利用者の方に沿ったケアが主な業務です。

    しかし、事業所や施設によっては、正社員は安全管理や感染症予防など介護以外の業務や勉強会があります。

    通常業務以外の負担は大きいと言えるでしょう。

    介護職でパートが働きやすい職場は?

    介護職は「入所型」「通所型」「訪問介護」とさまざまな働き方がある仕事です。

    家事や子育てとの両立を目指すパート介護士であれば、「通所型」「訪問介護」が働きやすい職場です。

    デイサービスやデイケア(通所介護事業所)

    利用者の方が日中利用するデイサービスやデイケアは、日中勤務が基本の職場です。

    夜勤がなく、送迎業務があることが大きな特徴です。

    土日祝日は閉所する事業所も多く、子育てと仕事の両立を目指すパート介護士におすすめの職場です。

    訪問介護事業所

    訪問介護は、利用者の方の居宅で身体介助や生活援助を行う介護サービスです。サービスを提供する時間は短時間に定められているため、自分のライフスタイルに合わせて働きやすい職場です。

    介護のスキルだけでなく、家事スキルを活かして働きたい方にもおすすめです。

    正社員とどちらがおすすめ?パート介護士のメリットとデメリット

    給与形態や仕事内容の違いが分かっても「正社員とパート、どちらで働くか迷う」という方もいるかもしれません。

    パート介護士のメリットとデメリット、それぞれをふまえた上で、自分に合った働き方を見極めましょう。

    メリット

    無資格、未経験でも採用されやすい

    介護職は無資格、未経験でもチャレンジしやすい仕事です。

    パート勤務であればさらに採用の幅は広がり、将来的に仕事をしながら資格を取得することも可能です。

    家事経験を活かして働ける

    調理や清掃といった生活援助が必要な訪問介護の現場では、それまでの家事経験が大いに役立ちます。

    利用者の方やその家族との距離も近いため、コミュニケーションスキルも活かすことができるでしょう。

    ライフスタイルに合わせた働き方ができる

    午前や午後、夜勤のみなど、ライフスタイルに合わせた勤務時間を選択できるのはパート介護士の大きなメリットです。

    デメリット

    身体的負担が大きい場合もある

    前述したように、介護職は正社員であってもパートであっても仕事内容に大きな差はありません。

    介護度の高い方が多い職場では、腰痛や肩こりなどに悩まされる場合もあるでしょう。

    担当を受け持つと残業が必要になる場合もある

    担当利用者を受け持つと、通常業務以外に書類作成や担当者会議への参加が必要です。

    業務時間内にそれらが終わらない場合には、パートであっても残業が必要になる場合もあるでしょう。

    職場によっては①人間関係が難しい

    介護の離職理由として毎年上位にあげられるのが「職場の人間関係」です。

    介護はチームワークが必須なので、時短勤務で他のスタッフとのコミュニケーションが取りづらいことがパート介護士のデメリットとなる場合もあります。

    ライフスタイル優先なら「パート」キャリアを重ねれば「正社員」の道も

    家事や育児との両立を優先させたい方には、パート介護士がおすすめです。

    無資格未経験から介護職を始め、働きながら資格取得を目指すこともできます。介護士としてのキャリアを重ね、状況に応じて正社員として働く道も見えてくるでしょう。

    介護職でパートを探すときの5つのポイント

    「パート介護士として働こう!」と思ったら、まずは求職活動。

    長く働き続けるためにも、仕事を探す際は以下の5つのポイントをチェックしてみましょう。

    ①    ライフスタイルに合った職場を選ぶ

    勤務時間帯や休日を重視して仕事を探せるのは、パート職の強みです。

    確実にキャリアを重ねるためにも、無理なく働ける自分のライフスタイルに合った職場を選びましょう。

    ②    扶養範囲内OKと明記している職場がベスト

    扶養内勤務を希望する場合は、「扶養勤務内OK」と明記している職場であれば安心して働くことができます。

    ③    キャリアアップ支援制度を取り入れている職場

    働きながら資格取得を目指す場合は、キャリアアップ支援制度を取り入れている職場がおすすめです。

    資格取得に向けた研修の実施や、必要な費用を補助している事業所を選ぶとよいでしょう。

    実際に働きながら資格を取得したスタッフがいると心強いですね。

    ④    頻繁に求人を出していない職場

    頻繁に求人を出している職場には、職員が定着しない何かしらの原因があると考えられます。

    「条件には合うけれどよく見かける求人で不安」という場合には、ハローワークの担当者などに相談してみるのがおすすめです。

    ⑤    実際に施設見学してみよう

    現場の雰囲気を確認するには、実際に見学してみるのが一番のおすすめです。

    見学を受け付けていない場合には、面接の際に施設の清潔度やスタッフの接遇などを確認しておきましょう。

    長期的な視野を持って働ける「パート介護士」

    介護職はさまざまな形態があり、希望に応じた働き方できます。

    特に、パート勤務者が多い通所介護や訪問介護は、無資格未経験でも始めやすい仕事です。

    経験を重ねれば、将来的に介護福祉士資格を取得し正社員を目指すことも可能です。

    自分に合った職場を選び、介護職の可能性を広げていきましょう。

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