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    【介護職必見】足浴の目的とは?基本的な手順や方法を解説

    仕事を知る コラム 2022/01/24

    「足浴(そくよく)」とは、足だけを洗う入浴方法です。血行促進やリラックス効果があり、取り入れる施設も多いケアのひとつです。

    本記事では、足浴の目的や効果、おこなう際のポイントを詳しく解説します。ぜひ実際のケアや在宅介護の場で役立ててください。

    足浴(そくよく)は部分浴のひとつ

    足浴は、体の一部分だけを洗う「部分浴」のひとつです。部分浴に対し、全身を洗う入浴方法は「全身浴」と呼ばれます。

    どちらをおこなうかは、利用者の方の身体状況や生活環境によって異なります。臨機応変な対応が求められる介護現場では、その日の状況に応じ、全身浴から部分浴へと切り替える場合もあるでしょう。

    足浴の基礎知識とスキルを身に付けていれば、利用者の方にあわせたケアを提供できます。まずは、足浴のメリットやポイントについて理解していきましょう。

    足浴のメリット

    足浴は全身浴に比べて水圧の影響が小さく、体への負担が少ないというメリットがあります。そのため、利用者の方の体調がすぐれなかったり、全身浴の負担が大きかったりする場合におこなわれます。在宅介護の現場では、ケアする家族の負担が少ないというメリットもあるでしょう。

    姿勢は「端座位」と「仰臥位」の2つ

    足浴をおこなう姿勢は「端座位(たんざい)」「仰臥位(ぎょうがい)」2つあります。端座位の足浴はベッドや椅子に腰かけておこなう入浴法です。座った姿勢が維持できる方に適しています。

    仰臥位の足浴は、ベッドに横になったままおこないます。寝たきりの方や、体調不良でベッドから起き上がれない方には、仰臥位の足浴を検討するとよいでしょう。

    足浴がもたらす4つの効果

    足だけを温めながら洗う足浴には、次のような4つの効果が期待できます。

    1. 血行を促進、血流障害を予防する
    2. 清潔が保たれ感染症予防につながる
    3. リラックス効果をもたらす
    4. 利用者の方の健康状態を把握できる

    利用者の方に適したケアを提供するためには、効果を理解しておくことが必要です。実際の足浴も、これらの効果を意識しながらおこないましょう。

    1.血行を促進、血流障害を予防する

    足浴で足先を温めると、血行が促進されます。そのため、血流障害が原因のひとつである「褥瘡(じょくそう)」予防に効果的です。

    床ずれとも呼ばれる褥瘡は、進行すると細菌感染を生じる場合もあります。かかとやお尻などに褥瘡ができやすい寝たきりの方には、足浴は特に効果的です。そのほか、神経痛や狭窄症による足のしびれを和らげる効果も期待できます。

    2.清潔が保たれ感染症予防につながる

    足浴により清潔を保つことは、感染症予防につながります。全身浴が難しい方だけでなく、全身浴を拒否される方にも効果的です。一度に全身を清潔にすることが難しい場合は、手浴(しゅよく)のような部分浴と組み合わせながら、利用者の方の清潔維持に努めましょう。

    3.リラックス効果をもたらす

    足浴により血流が促進されると、副交感神経が優位に働きます。副交感神経は、睡眠時や休息時など、体がリラックスしているときに働く神経です。そのため、足浴後はリラックス効果や安眠効果が期待できます。睡眠障害がある利用者の方にも、足浴は効果的なケアのひとつです。

    4.利用者の方の健康状態を把握できる

    足浴は利用者の方の肌に直接触れるため、健康状態の確認に役立ちます。普段目にする機会の少ない、足元の皮膚状態を観察する良いタイミングです。浴後は爪がやわらかくなるため、爪切りにも適しています。

    安全な足浴のための5つのポイント

    ここからは、安全な足浴のための5つのポイントを紹介します。足浴の効果を高めるためにも、これらのポイントをおさえておくことが大切です。1つひとつしっかりと頭に入れながら、介護士としてより良いケアを提供していきましょう。

    1.お湯の温度は39℃~42℃に保つ

    足浴に使うお湯の温度は、39℃~42℃に保ちましょう。また、利用者の方の足をつける前に、必ず自分の肌で温度を確かめることが大切です。足浴中も「熱くないですか?」「洗う力は強くないですか?」といった声かけを忘れないようにしましょう。

    2.15分を目安に手早くおこなう

    足浴は15分を目安に手早くおこないます。足先だけとはいえ、利用者の方の負担にならないように注意しなくてはいけません。そのためには、事前に必要な物品をきちんと準備しておくことも大切です。冬場であれば室温にも注意を払いましょう。

    3.利用者の方に負担のない時間を選ぶ

    足浴は利用者の方に負担のない時間におこなうことが大切です。食後すぐの足浴は、体への負担が大きいため避けるようにしましょう。血流が皮膚表面に集まり、消化不良を引き起こす恐れがあります。具体的には、気温の高い昼間や昼寝前などがおすすめです。

    4.著しく体調が優れない場合はおこなわない

    さまざまな効果が期待できる足浴ですが、利用者の方の体調がすぐれない場合は避けたほうが良いでしょう。酸素投与を受けている場合や、高熱を出している場合は体への大きな負担になります。介護プランに組み込まれていても無理に実施せず、医師や看護師、ケアマネジャーへの報告や相談が必要です。

    5.足の皮膚状態や爪を観察する

    足浴時は足を洗いながら皮膚状態や爪をよく観察します。特に、高齢者に多いのが巻き爪のような爪トラブルです。症状によっては医師の診断や治療が必要な場合があります。

    また、足のむくみが確認できる場合は、重大な疾患も考えられるため注意が必要です。ささいなことでもケアマネジャーや看護師に報告し、ケアの連携を図りましょう。

    足浴の準備物と手順

    足浴の効果やポイントをおさえたら、さっそく手順をマスターしていきましょう。スムーズに足浴をおこなうためには、物品の準備も必要です。実際のケアをイメージしながら手順を追ってみてくださいね。

    準備物

    • 35℃~40℃のお湯(かけ湯や差し湯を含む)
    • お湯を入れるバケツまたは洗面器
    • 汚水用のバケツ
    • 防水シート
    • 石鹸(泡ソープだと泡立て不要でよりスムーズ)
    • 足裏を洗うガーゼ、またはタオル
    • 姿勢を保つためのクッション、バスタオル
    • ひざかけ
    • 保湿クリーム、爪切り

    足浴の前の準備

    1. 利用者の方に足浴をおこなうことを伝え、同意を得る
    2. 足浴をおこなっても問題ないか、体調や足の状態を確認する
    3. 事前にトイレ(排せつ)をすませてもらう
    4. 体が冷えないよう、室内を25℃程度に調節する
    5. 足元に防水シートをしき、お湯を入れたバケツまたは洗面器を置く

    ベッドや椅子に座った端座位でおこなう足浴

    1. 座った状態を安全に維持できるよう、ベッドの場合は足裏が床に付くように高さを調節する
    2. クッションやバスタオルを使い、安楽な姿勢を保つ
    3. ひざ下の露出している部分をバスタオルでおおう
    4. 「熱くないですか?」と声をかけながら、片足をゆっくりお湯に入れる
    5. 足を温めながら、石鹸で足首から膝へ向けて洗っていく
    6. 足裏は丸めたガーゼ、またはタオルでこするように洗う
    7. 足の指の間の洗い残しがないように気を付ける(足に水虫がある場合は、感染予防のためこの時点でお湯をかえる)
    8. 同様にもう片方の足を洗い、バケツ内のお湯を汚水用バケツに捨てる
    9. かけ湯で石鹸をきれいに洗い流し、タオルでしっかりと水気をふき取る
    10. 必要に応じ、保湿クリームの塗布や爪切りをおこなう

    寝たままの仰臥位の姿勢でおこなう足浴

    1. ベッドを平らにし、利用者の方の体を上方にずらす
    2. 足元にスペースを作り、利用者の方に膝を立ててもらう
    3. ひざ下にクッションやバスタオルを入れ、安楽な姿勢を保つ
    4. ひざ下の露出している部分をバスタオルでおおい、端座位と同じ方法で洗う

    足浴後の注意点

    利用者の方の足に水虫(足白癬・爪白癬)がある場合は、感染予防のため、タオルや爪切りなどの使いまわしは避けましょう。また、足浴後は介助者もしっかりと手を洗うことが大切です。

    指の間に拭き残しがあると、水虫が悪化する恐れがあります。靴下はしっかりと足を乾かしてからはいてもらいましょう。

    介護職として安心安全な足浴をマスターしよう

    足浴は利用者の方の健康を保つだけでなく、心身のリラックス効果が期待できます。より効果を高め、安全におこなうためには準備物や手順を理解しておく必要があります。利用者の方に声をかけながら、丁寧かつ手際よくケアすることも大切です。

    全身浴が難しい方に部分浴を提供するためにも、介護士として正しい手順をマスターしておきましょう。

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