介護士の仕事と聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
そんなイメージが強いのではないでしょうか。介護士の仕事には実際に働いてみなければ分からないやりがいもあります。しかし、やりがいをなかなか感じられない介護士は少なくありません。理由は毎日同じ仕事の繰り返しでマンネリ化してしまうためです。
一方、自分なりのやりがいを持っている介護士も少なくありません。
この記事では介護士がやりがいを見付けるためのヒントをお伝えし、どんな人が介護士に向いているかについて解説します。
介護士が仕事でやりがいを感じる時ときは、何も特別な場面ではありません。むしろ、介護士は普段の何気ない瞬間にやりがいを感じることが多いです。介護士がやりがいを感じるのはどんなときかみていきましょう。
介護士の仕事をひと言で表すとしたら「自立支援」です。よく勘違いされますが、利用者の方をトイレへ誘導したり入浴や食事の介助を行なったりするのは自立支援のための手段であって、それ自体が目的ではありません。
今までできなかったことが、自分たちの支援によってできるようになったときほど介護士としてやりがいを感じることはありません。
厚生労働省の調査によると、人生の最期を迎える場所として自宅を望む人が全体の半分を占める一方、実際は病院や介護施設で最期を迎えるケースが大多数であることが分かっています。
そのため、介護士は利用者の方の看取りを幾度となく経験しますが、看取りを終えてご家族から感謝の言葉を言われたとき、これまでしてきた自分の仕事にやりがいを感じます。このような気持ちは介護の仕事をしていなければ決して味わうことができないでしょう。
【参考】平成26年版厚生労働白書「最期を迎える場所~希望と現実」
介護士の仕事は利用者の方との信頼関係が重要です。誠実に接し続けることによって、利用者の方は介護士を信頼し、安心してケアを任せられるようになるのです。
利用者の方から名指しで褒められたり、用事を頼まれたりすることで頼られている実感が湧きます。
利用者の方から必要とされることは、介護士がやりがいを持って働く上で非常に大切です。利用者の方と信頼関係を構築できれば、仕事を安心して任せられ、昇格のチャンスもやってくるはずです。
チームとして働くことにやりがいを感じる人もいます。一般の会社は縦割りの組織であることがほとんどですが、介護の仕事はとにかく横のつながりが大事です。
後輩を助けるのが先輩の仕事と思われがちですが、チームワークが上手く機能している事業所では、先輩が後輩に支えられる場面も少なくありません。性別・年齢・経験年数を越えてまとまりのあるチームワークによって良いケアができるのは介護士の醍醐味と言えます。
仕事にやりがいを持ちたいとは思うけれど、どうしてもやりがいを持てないときもあるでしょう。多くの場合、原因は仕事のマンネリ化です。そこで仕事をマンネリ化させないための対処法について解説します。
介護士の主な業務は排泄・入浴・食事の介助です。しかし、毎日同じことの繰り返しで、業務をこなすことに没頭してしまって何だか空しく感じることはないでしょうか?そんなときは利用者の方とのコミュニケーションを積極的にとることをお勧めします。
一生懸命に仕事をするのが悪いわけではありませんが、黙ったまま介助されると利用者の方に怖いと思われるかもしれません。
コミュニケーションも介護士の仕事のひとつです。利用者の方と話すのが楽しいと感じられれば、仕事にメリハリも生まれてくるでしょう。
毎日同じルーチンワークではマンネリ化してしまい、モチベーションも下がってしまいます。言われたことだけをやる受け身の姿勢では、やりがいを見失うのは当然です。見失ったやりがいを取り戻すには、経験したことのない業務に積極的に関わることです。
最初は上手くいかないかもしれませんが、新しい業務ができるようになると自信が生まれます。資格取得に挑戦してみるのも良いでしょう。会社からの評価もプラスにはたらきます。
やりがいを感じられない理由として、将来の目標を持っていないことが挙げられます。目標も持たずに毎日を過ごすのは、ゴールのないマラソンに参加するようなものです。
自分は何のために働いているのか、1年後どうなっていたいのか、頭の中にあるものを紙に書き出してみることをお勧めします。小さな目標をクリアしていく過程で自信がついて、仕事に対するやりがいが見つかるかもしれません。
仕事にやりがいを持つのは大切なことですが、やりがいを強制してくる上司には注意が必要です。「利用者のため」という名目で過剰なサービスを強要したり、過酷な労働環境を強いたりするのはやりがい搾取にほかなりません。
やりがいとは自分で感じるものであって、他人から強制されるものではありません。仕事のやりがいには、待遇、人間関係、労働環境などさまざまな要素が絡んでいます。やりがいを感じられないときは、やりがい搾取に陥っていないか一度振り返ってみましょう。やりがいを搾取する職場は辞めて、新しい職場を探すことをおすすめします
介護士は誰でもできるという話をよく耳にしますが、果たして本当でしょうか?介護士の仕事に向いている人には共通する特徴があります。
介護士は自分より目上の方に関わる仕事であるため、究極の接客業といえます。そういう意味で気配りができるのは介護士として基本です。気配りができる人は同時に観察力も優れているといえます。
観察力に優れた人は、
「落ち着きがないけど、ひょっとしてトイレに行きたいのかな?」
「いつもより顔色が悪いけど、どこか具合が悪いのかな?」
と利用者の方から訴えがある前に気付くことができます。利用者の方に対しても職員に対しても、観察力は介護士には必要なスキルといえます。
介護士は常に人と接する仕事のため、コミュニケーション力も必要です。コミュニケーション力の高い人というと、話し上手な人をイメージするのではないでしょうか。しかし、介護士に必要なのは話すスキルより相手の話を聴くスキルです。
介護の現場にはさまざまな性格の方がいます。おしゃべり好きな方は話を聞いてくれる人を求めますし、逆に話すのが得意でない方はこちらから聞かないと関係を築くことはできません。介護士にとって聴く力は不可欠です。
オンとオフの切り替えが上手な人も介護士に向いています。仕事とプライベートを区別し、たとえ職場で嫌なことがあっても引きずらないことが介護士にとって非常に大切です。
切り替えが上手な人は、自分なりのリフレッシュ法を持っていて、仕事のストレスとの付き合い方がとても上手です。
逆に介護士に向いていないと感じる可能性のある人について解説します。
介護の仕事は、介護職のほかに看護師やケアマネージャー、相談員など多職種の職員と協力して利用者の方のケアにあたります。
利用者の方に関する情報は常に報告・連絡・相談を欠かさず、職場全体で共有を図らなければなりません。ひとりで淡々とした仕事をしていては、思わぬミスやトラブル、事故を起こす原因となってしまいます。介護現場に必要なのはチームプレーであって、スタンドプレーは必要ありません。
介護士として自分なりの介護観を持つことは必要ですが、価値観は人それぞれで自分と合わないことはざらにあります。自分以外の価値観を受け入れられないと、周囲と良好な関係を築くことは難しいでしょう。
育ってきた時代が異なる高齢者が相手なら、なおさら自分と違った考え方や価値観を受け入れる姿勢が介護士には求められます。
介護士は体を使う肉体労働であると同時に、人と関わり続けるので精神的ストレスを抱えやすい仕事です。イライラしやすいタイプやカッとなりやすいタイプは要注意です。
同じことを何度も聞いてくる認知症の方に「さっき言ったでしょ」とそっけない態度をとったり、動作に時間を要する方に対して急かしたりすると利用者の方を不安にさせてしまいます。感情の起伏が激しい人に近寄りたくないのは、誰にとっても同じです。
どんな仕事にも良い面と悪い面があります。悪い面ばかりに目を向けていては長続きしないうえに、自分だけでなく周囲の職員にまで悪影響を及ぼします。
介護の仕事の楽しさややりがいは与えられるものではなく、自分で見つけるものです。仕事のやりがいに正解も不正解もありません。ぜひ自分だけのやりがいを見付けてくださいね。
(c) 2025 LIKE Staffing, Inc.