ホームヘルパーが利用者宅を訪問して生活支援を行う訪問介護。通常の介護とは異なる性質から、料理・調理ができないと働けないのか気になっている方は多いのではないでしょうか?
当記事では訪問介護において、調理(料理)はどのようなことを指し、どのような意味があるのかを前置きとして紹介いたします。
そして料理・調理ができないとダメなのかについて説明いたします。最後にホームヘルパーが調理(料理)するときのポイントを解説します。
ここでは、「訪問ヘルパーの調理」について3つご紹介いたします。
それでは順番に解説していきます。
訪問介護ヘルパーの調理とは、「利用者の好みに合った食べやすい、栄養のある食事をつくること」です。
そもそも介護保険サービスは、高齢者が健康を維持し安心して生活するためのものです。ですから訪問介護ヘルパーの調理は、高齢者が健康を維持できて安心して食べられるものでなければなりません。
味付けや食材の硬さなど、利用者に応じた食事を提供する必要があります。
「訪問介護ヘルパーは、調理ができないとダメなのか?」については、結論「調理ができなくてもヘルパーはできる。けれども調理ができるに越したことはない。」が答えです。
なぜなら訪問介護ヘルパーには、調理の他にも多くの仕事があるからです。どうしても調理ができなければ、調理が求められないサービス先ばかりを訪問することもできます。
しかし「掃除と調理」や「おむつ交換と調理」など、他のサービスと組み合わせて調理が求められるのが実情です。
長くヘルパーの仕事を続けるなら、調理ができるに越したことはないのです。
最初は調理が苦手な人もいるでしょう。しかしヘルパーには、調理を身につける機会がたくさんあります。
「調理を学ぼうとする姿勢」さえあれば、上達することは難しくありません。
調理を身につけるために有効な手段として、
などがあります。
利用者さんから調理について、直接アドバイスをもらう機会もあるかもしれません。
「調理が上手くなりたい」気持ちがあれば、レベルアップするための機会が多くあることに気がつくでしょう。自宅で調理の練習をするなど、地道な努力も有効です。
ここでは訪問介護ヘルパーにとっての調理の位置づけについて3つご紹介いたします。
それでは詳しく解説していきます。
訪問介護ヘルパーの調理でもっとも重要なのは、利用者が安心して食べられることです。一歩間違えると、利用者の生命に関わることもあります。
高齢者は健常者に比べ、食べられるものに制限がある場合が多いからです。
たとえば、
などです。
利用者の状態によっては、トロミのつけ忘れで窒息してしまう可能性もあります。
訪問介護ヘルパーの調理でもっとも重要なのは、利用者が安心して食べられることなのです。
訪問介護ヘルパーの仕事は、調理以外にも多くあります。仕事内容によって大きく2つに分けられます。
利用者に直接触れるサービスを「身体介護」、それ以外のサービスは「生活援助」です。
訪問介護ヘルパーは、調理や清掃、介助など多様な業務を利用者へ提供します。
訪問介護ヘルパーのサービスは、限られた時間内で効率よく提供しなければなりません。
サービス時間が長くなると、延長料金が発生してしまうからです。
たとえば、洗濯機を回しながら調理をすることも珍しくありません。
それぞれの作業を確実に行いながら、時間内に効率よくサービスを提供する必要があるのです。
ここでは訪問介護ヘルパーの調理で気をつけることについて、3つご紹介いたします。
それでは、順番に解説していきます。
訪問介護ヘルパーの調理は、利用者以外には提供できません。
介護保険制度は、利用者や家族を助けるためのものです。しかし調理については、本人のためにだけ提供することが定められています。
もし家族から「自分も食べたいので多めに作ってほしい」と言われても、断らなければいけません。
それでもしつこく要求された場合には、管理者などに相談しましょう。
訪問介護ヘルパーの調理では、あらかじめ料理したものや調味料は持ち込めません。
介護保険制度では、「利用者の自宅にある食材や調味料で調理すること」が定められているのです。
ただし買い物をしてから訪問する場合は別です。
他にも「誕生日の特別な料理」や「おせち料理」も提供できないので注意しましょう。
利用者や家族とコミュニケーションをとるように心がけましょう。
なぜなら「もっと、こうしてほしい」「これはやめてほしい」など、ヘルパーに要望や不満を言えない利用者や家族もいるからです。
「ヘルパーさんにはお世話になっているから、言わないでおこう」と思っているかもしれません。
要望の具体例としては、
などです。
普段からコミュニケーションを取っていると、ふとした瞬間に意見が聞けるものです。
利用者や家族の本音を聞くために、普段からコミュニケーションを取ることを心掛けましょう。
ここでは訪問介護ヘルパーが料理を作るときのポイント3つをご紹介いたします。
それでは順番に解説していきます。
まずは、高齢者に人気の和食を覚えるとよいでしょう。
定番のメニューとして、
などがあります。
以上は、比較的調理しやすいと言われています。また、めんつゆを使って調理するのも有効です。
高齢者にとって定番の和食をマスターしましょう。
利用者に好みやリクエストを聞いてみるのも重要です。利用者に尋ねることで、細やかな味の調整ができるからです。
また「このヘルパーさんは、親身になってくれる」と好印象を与えることにもつながります。
完全に「家の味」を再現するのは難しいかもしれません。しかし好みの味付けやリクエストを聞くことで、利用者と信頼関係を築けます。
料理のレパートリーを増やしてみましょう。
利用者からの急なリクエストにも答えられ、自信を深められます。
レパートリーを増やす手段のひとつに、インターネットのレシピサイトがあります。
おすすめのサイトは、以下のとおりです。
無料で簡単レシピが公開されているので、ぜひ参考にしてください。
今回は訪問介護ヘルパーと調理について紹介いたしました。
「ヘルパーは調理ができないとダメ?」と不安に思う人もいるでしょう。結論、調理以外のサービスも多いので、調理が苦手でもヘルパーとして働くことは可能です。
しかし「清掃と調理」や「おむつ交換と調理」など組み合わせて求められることもあります。長くヘルパーとして勤務する場合、調理は身につけておきたい技術です。
訪問介護ヘルパーの調理に求められるのは、利用者が安心して食べられることです。
シェフのような立派な料理を作る必要はありません。
利用者とコミュニケーションを取り、好みやリクエストを聞くうちに信頼関係も深まります。
料理のレパートリーを広げるために、様々なレシピを活用しましょう。インターネットには、多くの高齢者向けレシピが無料公開されているのでおすすめです。
この記事を参考に訪問介護の調理についてのポイントを押さえ、利用者に喜ばれるサービスを提供できれば幸いです。
(c) 2025 LIKE Staffing, Inc.