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    介護士でもできる医療行為を解説!爪切りや耳掃除はできない?

    仕事を知る 就職・転職 資格 コラム 2022/12/12

    介護士でもできる医療行為を解説!爪切りや耳掃除はできない?

    医療行為は介護士でも”できる”ものと”できない”ものに分かれます。そのため、介護士の中には、どんな医療行為であれば自分で行えるのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

    そこで当記事では「介護士ができる医療行為」と「介護士ができない医療行為」に分けながら解説します。また、爪切りや耳掃除に関しては規制対象外となる医療行為であることを紹介し、介護職に従事する者であればだれでも行えることも解説します。

    介護士ができない医療行為とは

    ここでは、介護士ができない医療行為について2つ紹介いたします。

    1. 介護士が行うと違法になる医療行為
    2. 医療行為で介護士が手伝えることはある?

    それでは詳しく紹介していきます。

    介護士が行うと違法になる医療行為

    医師や看護師などの免許を持たない介護士が医療行為を行うことは、医師法や保健師助産師看護師法で禁止されています

    大半の医療行為を、介護士は行えないと考えておいてよいでしょう。介護現場でニーズの高い医療行為を、以下にまとめます。

    • インスリン注射
    • 摘便
    • 床ずれの処置
    • 血糖測定
    • 点滴の管理

    インスリン注射や血糖測定は、命に関わる医療行為です。本人や家族であれば行えるため、介護士に求められるケースも多いようです。

    しかし、介護士が医療行為を行うと法律違反となり罰せられてしまいます。何より利用者の方の命を危険にさらすことになるので、絶対に行ってはいけません。看護師などに対応してもらいましょう。

    医療行為で介護士が手伝えることはある?

    介護士が医療行為を行えないことを、前章でお話ししました。介護士は上記の医療行為について、何もできないのでしょうか?

    結論、看護師など医療職のサポートはできます。例えば利用者の方へ声掛けを行ったり器具を準備したりして、スムーズに医療行為ができるように支援してはどうでしょうか?

    利用者の方の待ち時間もなく、看護師もすぐに対応できます。介護は一人ではできません。チームとして、スムーズに業務が進むことを心掛けてみましょう。

    介護士ができる医療行為とは

    ここでは介護士ができる医療行為について3つ紹介していきます。

    1. 医療行為に該当しない「医療的ケア」とは
    2. 医療行為であっても規制対象外の行為とは
    3. 研修を受講した介護士が行える2つの医療行為とは?

    それでは詳しく説明していきます。

    医療行為に該当しない「医療的ケア」とは

    以下に紹介するのは、もともと医療行為であり介護士は対応できませんでした。しかし平成17年7月、厚生労働省が介護士でも行える「医療的ケア」として認定しました。

    • 体温計を用いた腋下・外耳道での体温測定
    • 自動血圧測定器を用いた血圧測定(水銀血圧計による測定を除く)
    • パルスオキシメーターを用いたSpO2(動脈血酸素飽和度の測定)
    • 軽微な切り傷や擦り傷、やけどなどの処置
    • 汚れたガーゼの交換
    • 湿布の貼付
    • 軟膏の塗布(床ずれ処置を除く)
    • 目薬の点眼
    • 服薬介助(舌下錠を含む)
    • 坐薬の挿入
    • 鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助

    【参考】厚生労働省「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について

    医療行為であっても規制対象外の行為とは

    以下は医療行為であるものの、医師法などの規制対象外とされるものです。つまり介護士が行える医療行為なのです。ただし介護士が行えるのは、要介護者に異常がなく専門的な管理が必要ない場合のみとされています。

    • 耳垢の除去(耳垢塞栓の除去を除く)
    • 爪切り、爪やすり
    • 歯ブラシや綿棒による口腔ケア
    • ストーマのパウチ内に溜まった排泄物の処理
    • 自己導尿補助におけるカテーテルの準備、体位保持
    • 市販の浣腸器を使用しての浣腸

    つまり利用者の方の状態によっては、医療行為になってしまいます。決して自分だけで判断してはいけません。利用者の方に変化があれば、すぐに報告・連絡・相談できるように、上長や看護師などの医療職と連携を取りながら行うべきです。

    感染にも注意しなければなりません。自身や利用者の方を感染から守るためにプラスチック手袋を使用し、手洗いを励行しましょう。

    研修を受講した介護士が行える2つの医療行為とは?

    研修を受講した介護士が行える医療行為は、「喀痰吸引」と「経管栄養」です。介護福祉士は、実務者研修課程で「喀痰吸引」の技術を学びます。また、介護福祉士以外の介護士も「喀痰吸引等研修」を受講することで「喀痰吸引」「経管栄養」を行えるようになります。

    【参考】介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律等の公布について

    介護士が行える爪切りの条件と押さえておくべきポイント

    ここでは介護士が行える爪切りの条件と押さえておくべきポイントについて3つ紹介します。

    1. 介護士が行える爪切りの条件
    2. 介護士が実施する爪切りのポイント
    3. 爪切りのこんな時は黄色信号!事故に注意!

    それでは詳しく解説していきます。

    介護士が行える爪切りの条件

    介護士が爪切りを行うのは珍しくありません。しかし条件によっては、介護士が爪切りしてはいけないケースもあるので、注意が必要です。以下は、介護士が爪切りを行える条件です。

    • 爪そのものに異常がない
    • 爪の周囲の皮膚に炎症や化膿がない
    • 糖尿病など専門的な管理が必要でない

    【参考】医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について

    爪に異常が見られる場合や糖尿病を患っている場合、介護士は対応できません。必ず看護師など医療職に繋げる必要があります。

    介護士が実施する爪切りのポイント

    手の爪が伸びていると、自分や人を傷つけてしまうケースもあります。また足の爪は、歩行に大きな影響を及ぼします。ここでは、介護士が爪切りをする際のポイントを紹介します。

    準備するもの

    爪切りと爪ヤスリを準備します。また利用者の方に爪切りを行うことを説明し、同意を得ておきましょう。入浴後に行うと、爪が柔らかくなっているので切りやすいです。

     

    介助者の姿勢・位置・構え方

    ・手の爪の場合

    1. 利用者の方の隣に座り、自分の爪を切る時と同じ角度にする
    2. 介護者の腕で利用者の方の腕を挟んで、動かないように固定する
    3. 認知症の利用者の方は、予期せず動くことがあるのでケガをさせないように注意する

    ・足の爪の場合

    1. 利用者の方に、椅子やベッドに座ってもらう
    2. 自分の爪を切る角度になるように利用者の方の隣に座る(低い椅子など使用)
    3. 利用者の方の足を介護者のももに乗せる
    4. 介護者の腕とももで、利用者の方の足を固定する

    正しい爪の切り方

    爪を切るときに注意するポイントは以下の通りです。深爪や皮膚を切らないように注意しながら行いましょう

    • 一度に切ると深爪になるかもしれないので、少しずつ切る
    • 爪の白い部分を1~2mmほど残して切る
    • 巻き爪予防のため、角は丸く切らず四角く切る
    • 指先の皮膚を切らないように、皮膚を押し下げてから爪を切る
    • 爪ヤスリを使用して、とがっている部分を滑らかにする

    こんな時は黄色信号!爪切りの事故に注意!

    爪切りの際に事故が起こってしまうケースは多くあり、注意が必要です。ここでは2つの事例を挙げます。

    注意すべき例1:自信のないまま対応し、ケガをさせてしまう

    高齢者の爪は、分厚くなっていたり変形したりしているため、対応が難しいケースが多くあります。自分では対応できないと感じたら、一旦待ってもらうべきです。

    戸惑いながら爪切りを行い、皮膚を切ってしまっては身も蓋もありません。難しいと感じたら、看護師や周囲のスタッフに助けを求めましょう。

    注意すべき例2無理な体勢を取ろうとして、利用者の方を転倒させてしまう

    足の爪を切る場合には、利用者の方のバランスに注意しましょう。爪を切ろうとして、足だけに集中してしまうと、利用者の方の身体全体のバランスを見過ごしてしまうケースがあります。

    最悪の場合は、利用者の方が後ろに転倒してしまうかもしれません。特に車いすの場合、フットサポートに足を乗せたままだと転倒する恐れがあります。

    必ず利用者の方の足が地面についているか確認してから、爪切りを行いましょう。

    まとめ:介護士が行う医療行為について理解しよう

    今回は介護士が行う医療行為について紹介いたしました。医療行為には、介護士でも”できる”ものと”できない”ものに分かれます。正しく理解していないと、違法行為となってしまうだけでなく、利用者の方を傷つけてしまうかもしれないのです。たとえ介護士ができる医療行為であっても、看護師などの医療職と連携し対応していかなければなりません。爪切りにおいても、爪の状態や利用者の方の持っている病気によっては、介護士が対応できないケースもあるのです。

    医療行為は、ひとつ間違えば利用者の方の命に関わります。正しく判断するためにも、正しい知識を身につけておきましょう。

    この記事を参考に、介護士が行う医療行為について知識を深め現場でのケアに活かしていただければ幸いです。

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