「介護士の転職は何歳までにすればいいの?」
「需要はあるの?」
こんな疑問はありませんか?超高齢社会で需要が高まっている介護士ですが、何歳まで働けるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。また、できるだけ長く働き続けたいと考えている方もいるでしょう。
今回は、介護士が何歳まで働けるのかについてご紹介いたします。介護士の平均年齢や年齢制限などについても解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
介護士は何歳まで働けるかを知るためにも、労働者の年齢分布の割合を見ていきましょう。令和3年実施の調査結果による介護士の年齢分布は下記のとおりです。
年齢 | 割合(%) |
20歳未満 | 0.1 |
20歳以上25歳未満 | 1.6 |
25歳以上30歳未満 | 4.3 |
30歳以上35歳未満 | 7.0 |
35歳以上40歳未満 | 9.9 |
40歳以上45歳未満 | 13.4 |
45歳以上50歳未満 | 13.8 |
50歳以上55歳未満 | 13.1 |
55歳以上60歳未満 | 11.0 |
60歳以上65歳未満 | 8.6 |
65歳以上70歳未満 | 4.6 |
70歳以上 | 2.7 |
無回答 | 10.0 |
【参考】令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について|公益財団法人介護労働安定センター
介護士の平均年齢は47.7歳です。また、女性と男性で平均年齢は異なり、女性は49.2歳、男性は42.3歳でした。上の表より、40〜60歳の方が多く活躍していることが分かります。
次に、介護士が働ける年齢について以下のポイントから解説いたします。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
介護士には年齢制限がありません。そのため、何歳まででも働くことは可能です。このように年齢制限がないことにより、40〜50代からでも比較的転職しやすい職業でもあります。
しかし、介護士は入浴や排泄の介助、夜勤や早出などの変則勤務があり、大変な仕事です。介護士を長く続けるためには体力が必要なのはもちろん、健康の維持も大切になるでしょう。
正社員の場合、60歳や65歳を定年としているケースもありますが、中には定年を設けていない企業もあります。正社員に定年制度を設けていない施設は12.6%、常勤社員だと26.4%、非常勤社員だと42.5%でした。企業側は特に非常勤社員に対して、可能な限り長く勤めてほしいという意識があるようです。
また、定年ありの企業でも、8割以上が「再雇用制度」もしくは「勤務延長制度」を導入しています。
【参考】一般社団法人日本在宅介護協会「高齢者が働きやすい介護事業に向けて」
平成19年10月から雇用対策法が改正され、募集や採用における年齢制限の禁止が義務化されています。そのため、何歳からでも仕事に就くことは事実上可能です。求職者が、年齢に関係なくその人の能力や適性に応じて職を得ることができるようになりました。
ただし、以下のような例外もあります。
1では、定年を設けてある会社の場合、その年齢までを年齢制限にすることが可能です。
2では、60歳以上の方を限定して募集や採用をする場合、年齢制限が認められます。また、「特定求職者雇用開発助成金」制度を活用する場合、60歳以上から65歳未満の募集が可能です。
【参考】厚生労働省「その募集・採用年齢にこだわっていませんか?」
介護士は、職場や職種によって平均年齢が変わります。ここでは以下の2つの平均年齢について解説いたします。
職場 | 平均年齢 |
訪問系 | 48.6歳 |
施設系(入所型) | 44.4歳 |
施設系(通所型) | 46.3歳 |
居住系 | 47.8歳 |
居宅介護支援 | 53.4歳 |
【参考】公益財団法人介護労働安定センター「令和3年度介護労働実態調査」(83ページ)
職場別で見ると、平均年齢は40代後半が多い傾向にあります。居宅介護支援は平均年齢が53.4歳と、一番高い結果を示しています。
職種別の平均年齢は、以下のとおりです。
職種 | 平均年齢 |
生活相談員・支援相談 | 45.7歳 |
介護職員 | 47.3歳 |
サービス提供責任者 | 49.8歳 |
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 52.7歳 |
訪問介護員(ホームヘルパー) | 54.4歳 |
【参考】令和3年度介護労働実態調査|公益財団法人介護労働安定センター(87ページ)
職種別の結果を見ても、40代後半~50代が活躍していることが分かります。その中でも介護支援専門員の年齢が高く、52.7歳です。これは、資格取得に時間を要するためだと考えられます。
介護士は50歳以上でも働けます。その理由について、以下の2点から解説いたします。
介護士の年齢分布を見てみると、50歳以上で働いている方も多く、30代や40代はまだまだ若手だと考えられます。「未経験だから」「30代だから」と介護士を目指すことを不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、30代や40代を積極的に採用している施設もあります。介護士になりたい方は、年齢を気にしすぎず応募していくとよいでしょう。
40代や50代からでも介護士の仕事に就き、活躍する方もいます。前半でご紹介した年齢分布を見ても分かるとおり、40~50代でも働いている方が多いのが実状です。
さらに、介護士にはさまざまな資格があり、取得によりスキルアップができます。資格取得ができればキャリアアップも可能です。また、介護以外の社会人経験が長ければ、その経験を生かして働けるでしょう。
シニア世代が介護業界で働くときの注意点は、以下の4つが挙げられます。
それぞれの注意点について解説いたします。
どのような職業でも同じですが、新しい職場で仕事をする場合は、そこでのルールやマナーに慣れることが大切です。今までの職場では当たり前だったことも、新しいところではタブーになる可能性があります。
前の職場でのルールやマナーをリセットし、新たな職場に合わせていきましょう。
シニア世代から就職する場合、周りのスタッフは年下が多くなります。自分が年上であるゆえに、年下から指示されることに不満を感じる方もいるでしょう。
しかし、年功序列の考え方で接してしまうと周りのスタッフと打ち解けられず、自分自身が心地よく仕事ができなくなってしまう可能性があります。謙虚な気持ちを持って、周りのスタッフと関わることが大切です。
最近では介護の仕事にもIT業務が取り入れられており、スマートフォンやタブレット端末で利用者の方の管理をしている施設が増えています。これから介護士を目指そうと考えているなら、スマートフォンやタブレット、パソコン作業にも慣れておくとよいでしょう。
厚生労働省では介護現場におけるICT化を進めており、今後は今まで以上にIT業務が参入する可能性があります。
シニア世代が介護士として働く際は、特に無理をしないようにしましょう。一緒に働くスタッフは20代や30代と、働き盛りの人たちも多いはずです。若いスタッフと同じように動こうとしても、できない場合もあるでしょう。
そんなときは無理をせず、「できない」と伝えることが大切です。介護の仕事は多種多様なため、自分にできることは必ずあります。できないところはほかのスタッフに任せ、自分ができる仕事に一生懸命取り組みましょう。
介護士の働ける年齢が気になる方に向けて、よくある質問を2つご紹介いたします。
A.
初めにご紹介した介護士の年齢分布を見ると、50代以上の方も多く働いていることが分かるでしょう。もちろん体力が必要な仕事もありますが、職場や役割によって体力的な負担は大きく変わります。
また、一般的な事務の仕事よりも身体を動かす必要があるため、健康的であるという見解もあり、一概には決められません。
しかし、施設系では常時介護が必要な利用者の方も多く、体力的にしんどいと感じる方が多いのも事実です。訪問系であれば、移動時間に少しはリフレッシュを図れるかもしれません。
また、年齢を重ねたからこそのコミュニケーションができるという強みもあるでしょう。
A.
60歳以上でも働ける介護の仕事はあります。実際に求人を探してみると、60歳以上でも介護士を募集している施設があると分かるでしょう。
ハローワークでは介護福祉士の資格取得のための訓練や介護職員初任者研修などの訓練を無料で受講できます。心配な方はこれらの制度を利用してみるのもおすすめです。
【参考】厚生労働省「離職中で、職業訓練を受講してスキルアップしたい」
介護士は、やりたいと思ったときに始められる仕事です。平均年齢は47.7歳で、60代・70代で働いている方もいます。50代だから、60代だからと介護士に挑戦できないと思っている方もいるかもしれませんが、介護士なら定年後も働ける仕事です。さらに、今までの人生経験や職業経験などを生かすことができる仕事でもあります。
今回ご紹介した働き続けるためのポイントを押さえつつ、介護の仕事に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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