介護士の仕事はお年寄りの生活を支える重要な仕事です。介護士を目指している方の中には、現役介護士はどのようなところが大変だと感じているのか知りたい方も多いのではないでしょうか。また、すでに介護士として働いている人の中には、大変なときはどうするべきなのか悩んでいる方も多いと思います。
そこで当記事では、現役介護士が「大変」と感じる理由についてご紹介いたします。また、大変だと感じたり、疲れたりしたときの対処法についても解説いたします。
ここでは、介護現場で勤務する介護士が大変に感じている理由について解説いたします。具体的には、
それでは順番に解説していきます。
介護は高齢者の命を預かる重要な仕事です。しかし、介護士の平均給与は全産業の平均給与を下回っています。
令和3年の調査では、介護士の平均月収は約32万円でした。一方で、同年の全産業における平均月収は約39万円。同じ調査ではないので単純比較はできないものの、介護職の月給は全産業よりも約7万円下回っています。
よって「厳しい仕事内容の割に、給料が見合っていない」と感じる介護職員もいるようです。ただし現在、政府は介護士の給料アップを推進しています。徐々に介護職の給与は改善されています。
【参考】
厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」(p.144)
日本経済団体連合会 2021年6月度「定期賃金調査結果」の概要(p.2)
令和元年に実施された調査では、約70%の事業所が「介護職員が不足している」と回答しています。人手不足が深刻な事業所では、一人あたりの担当業務が多くなってしまうこともあるようです。
また、スタッフが不足しているとシフト調整が難しくなります。そういった事業所では、希望休や有給休暇を取得できないケースもあるかもしれません。
【参考】公益財団法人 介護労働安定センター「介護労働の現状について」(p.7)
介護の仕事は、心身ともに疲労しやすい面があります。入浴や排せつ介助では身体的な負担があり、腰などに痛みを感じている職員も少なくありません。
また、利用者の方の命を預かる責任は大きく、精神的な負担を感じる場合もあるでしょう。しかし、適切に対応することで、心身の負担を軽減することも可能です。
「ボディメカニクス」と呼ばれる負担の少ない介助方法を身に付けたり、上司や先輩に相談して不安な気持ちを聞いてもらったりして、状況を改善する方法もあります。
介護は人と人が接する仕事です。デイサービスや施設、訪問介護であってもチームで動きます。その際には、どうしても性格が合わない先輩や同僚もいるかもしれません。また、介護士や医療職など、職種による考え方の違いもあります。
利用者の方やご家族も同様です。人間同士なので「合う合わない」が出てくるのは当然と言えます。自分と相手の考え方が異なると、ストレスを感じることもあるでしょう。仕事と割り切り、無理に同意を求めず適切な距離で付き合うことも重要です。
ここでは、大変な状態のまま放っておくとどうなるかについてご紹介いたします。具体的には、
それでは、詳しく解説していきます。
メンタル不調とは、不安な気持ちやストレスが原因で、心の健康を崩してしまっている状態のことです。誰でも気持ちが沈んだり落ち込んだりすることはあります。しかし、長期間ストレスや不安な気持ちが継続すると、心の健康を崩してしまう原因になってしまうのです。
厚生労働省は、5人に1人はこころの病気になると公表しています。メンタル不調は特別なものではなく、誰でも起こる可能性があるのです。
ストレスが慢性化すると、メンタルだけでなく身体面での疾患につながるケースがあります。以下は、ストレスによって引き起こされる疾患の一部です。
以上のように、ストレスは非常に多くの疾患を引き起こすと言われています。呼吸器系、循環器系、消化器系など、広範囲での疾患につながるリスクがあるのです。
強いストレスが長く続いた場合、イライラや不安を引き起こし、活気や集中力を低下させます。その結果、仕事上のミスやヒヤリハットが増加してしまうのです。
介護の仕事では、利用者の方の見守りや介助を行います。集中力が欠如している状態で介護現場に立つことは、重大な事故の原因となり利用者の方の命にも関わるのです。
ここでは、介護士が仕事に疲れたときの対処法についてご紹介いたします。具体的には、
それでは詳しく解説していきます。
自分の感情を誰かに伝えることで、ストレス解消が期待できます。信頼できる上司や同僚、家族に相談するのがよいでしょう。最近では、SNSを通じて悩みを共有する人も増えています。
誰かに話すことにより、自分の感情を整理することも可能です。「自分がこれからどうしたいか」についても、アドバイスがもらえるかもしれません。人間関係はストレス解消に欠かせません。
健康的な生活習慣は、ストレスを軽減します。特に重要なのは以下の3つです。
勤務形態によっては早出や遅出、夜勤もあります。常に規則正しい生活を保つのは難しいかもしれません。適度に運動したりシフトパターンをできるだけ安定させたりして、可能な範囲で管理することを心掛けてみましょう。
資格の取得など、新しいスキルを取得することで自信を高められます。これまで感じていたストレスに対しても、自信がつくことで感じ方を変えられるのです。
また、資格によっては手当が支給されるケースがあり、仕事へのモチベーションアップにもつながります。忙しい中でもコツコツ積み上げていくことが重要です。
身近な人への相談では解決しにくいケースなどは、外部の相談窓口を活用するのも有効です。ストレスや心の健康に関する問題は、専門的な治療やアドバイスが必要なこともあります。
日本産業カウンセラー協会は、無料で電話相談できる窓口を設置しています。専門家のサポートを受けることで、効果的な対処方法が見つかるかもしれません。
【参考】一般社団法人 日本産業カウンセラー協会「働く人の悩みホットライン」
マインドフルネスは、ストレスの軽減や感情を調整する効果があるとされています。具体的には、仕事や日常生活での心配ごとや不安な気持ちを静めて、目の前のことに集中することです。座った状態で目を軽く閉じ、呼吸に意識を向ける方法が一般的です。
マインドフルネスを行うことで、心身をリラックスさせてストレスを軽減する効果が期待できると言われています。
仕事内容や人間関係に改善が見込めない場合は、配置換えを希望するのもよいでしょう。介護の仕事はチームプレーです。モヤモヤした状態では、よいケアは提供できません。自分が苦痛を感じるだけでなく、利用者の方にも迷惑をかけてしまうのです。
「この部署なら、自分の力を発揮できそう」と感じる部署へ配置換えを希望するのは、有効な手段と言えます。
以上のことを試しても現状を変えられない場合は、思い切って転職活動を行いましょう。人間関係や職場環境で強いストレスを受け続けた場合、心身に影響が出る可能性があるからです。「自分らしく働けて、力を発揮できる職場」ならば、自然とスキルや給与もアップするでしょう。
ただし、闇雲に転職しても同じことを繰り返してしまうかもしれません。「職場に何を求めるのか」「新しい職場で、どのように働きたいか」を明確にして転職活動を行いましょう。
ジョブトル介護なら、新規オープンや未経験者・ブランクがある方も歓迎の求人など、幅広い介護求人情報を掲載しており、手厚いキャリアサポートが受けられます。
今回は、介護士が大変と感じる理由や、仕事に疲れたときの対処法について解説いたしました。
介護士は高齢者を支える重要な職業ですが、仕事の割に給料が低かったり人手不足のために心身ともに疲労していたりします。ただし最近では、政府による介護士の給料アップやストレスチェックの充実など対策も実施されているところです。
ストレスを抱えたまま放っておくと、メンタルや身体の不調を引き起こす可能性があります。信頼できる人に相談したり生活習慣を改善したりするなど、早期に対応しましょう。
どうしても状況が改善しない場合は、転職活動の検討をおすすめします。自分の力を最大限に発揮できる環境で働くことで、キャリア・給料をアップさせることが可能です。
ジョブトル介護では、幅広い介護求人情報を掲載しており、専門スタッフによる手厚いキャリアサポートが受けられます。
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