介護士を目指している方のなかには、介護福祉士の資格取得を目指している方が多いでしょう。それと同時に、介護福祉士は独学で取得できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、介護福祉士は独学で取得できるのか解説します。記事前半では独学で取得できるのかという問いに対しての答えを紹介し、その後におすすめの勉強法と対策、勉強時間の目安を解説します。
まずは、介護福祉士の取得方法には、どのような選択があるのかを紹介します。
指定の福祉系高校に通学することで、必要な科目・単位を習得できます。在学中に介護福祉士の受験資格を得ることができるため、合格すれば卒業と同時に介護福祉士を取得できます。「介護技術講習」または「介護過程」・「介護過程III」を修了/履修することで、実技試験を免除する選択も可能です。
指定の介護福祉士養成施設を卒業することで、介護福祉士を取得できます。今後、養成施設に通学しながら取得する際には、下記に注意してください。
3年以上かつ540日の実務経験に加えて、研修(実務者研修、介護職員基礎研修など)を修了することで、介護福祉士の受験資格を取得できます。介護福祉士の受験は筆記試験のみで、実技試験は免除になります。
経済連携協定(EPA:Economic Partnership Agreement)において、公益社団法人 国際厚生事業団が紹介した受入機関と締結した雇用契約に明示された受入施設で、研修責任者の監督の下で日本の介護福祉士資格を取得することを目的とした研修を受けながら就労するインドネシア人、フィリピン人及びベトナム人の方向けの受験ルートになります。
「介護技術講習」または「介護過程」・「介護過程III」または「実務者研修」を修了または履修することで実技試験を免除する選択も可能です。
いずれの受験ルートでも、介護福祉士試験に合格後に介護福祉士の登録手続きを終えることで、介護福祉士の資格が取得されることが必要になります。
【参考】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士(資格取得ルート図)
介護福祉士を受験するために通学や通信課程を活用するには、コストや時間の確保の問題があります。介護福祉士は、受験資格を取得していれば独学も可能です。
独学で介護福祉士試験に挑戦するためには、自分自身に合った学習方法やスケジュール管理を実践していくことが必要になります。
ここでは、介護福祉士受験に向けた対策と、勉強で必要になるポイントを紹介していきます。
教材と問題集の活用は、以下の目的に分かれます。
過去問を解いて問題に慣れることを積み重ねていくなかで、間違った理由を知ることが大切になります。理由を知るためには、解説がしっかり載っている問題集を選ぶことが大切です。
教材と問題集に共通していることですが、文字が羅列されているだけの問題集は見づらいです。視覚的に見やすく整理されていること、図や絵が活用されている教材や問題集を選ぶことが効率的な勉強につながります。
過去問を解いていくなかで、繰り返し間違う傾向がある問題は、自分自身にとって苦手な問題になっているかもしれません、教材で基礎を復習して過去問を解くということを繰り返してみましょう。
仕事の休憩中や通勤等の隙間時間を使って勉強したい場合には、ポケットサイズの教材や問題集を活用することも方法の1つです。
過去問を解くことで
ことができます。時代や社会情勢の変化とともに、福祉に関するさまざまな状況や法律は変わっていきます。過去問を解くなかで、3〜5年以上遡る際には、現在の法律や状況と変わっている場合があるため注意しましょう。
介護福祉の現場で実際に実務経験がある場合は、自分自身の実践と介護福祉士受験のために学んでいる知識を結びつけて考えてみましょう。
特に介護実践に関する問題や事例問題では、実務経験とリンクして考えることで選択肢の数を絞ること、正解を見つけることができる場合があります。また、自分自身が行っている介護実践の振り返りの機会としても活用できます。
介護福祉士の受験のイメージがつかめなくて、当日の雰囲気や問題の傾向を見て勉強してきたことがうまく発揮できなかった、ということがあります。
模擬試験を活用すれば、事前に試験の雰囲気や問題の傾向を知ることができ、落ち着いて試験当日を迎えることができます。
特に、前回試験から今回の試験までの間で変わっている情報について問題を解く経験にもなるため、活用しましょう。
インターネット上の情報から学ぶということもできます。ただここで気をつけておきたいのは、インターネット上では信憑性の低い情報が存在します。情報を鵜呑みにするよりは、確認のための参考資料としてとどめておくのがよいかもしれません。
関連書籍や他のサイトと照らし合わせながら情報を確認することで、信憑性があると判断できるでしょう。
介護福祉士を取得するために必要な時間や時間の使い方を解説します。
介護福祉士の資格取得に必要な勉強時間は、個人差もありますが、約250時間といわれています。約250時間を一気に勉強時間にあてるのは、仕事をしながらでは難しいでしょう。また、勉強期間が短くなると、焦りがでてくるため、効率が良いとは言い難い状況になります。
毎日約1〜2時間の勉強時間を確保すると想定して、勉強に必要な時間を計算をすると、半年前〜3か月前に、試験勉強を取り組み始めることで、慌てずに受験当日を迎えることができるでしょう。
介護福祉士の受験に向けて、さまざまな事情で取り組む期間や時間が限られているという場合があります。限られた独学期間を何も考えずに、目の前のことに取り組むのではなく、1ヶ月、2週間、1週間などの短い期間の目標、独学で進める範囲・内容を考えながら進めていくことが大切です。
短い期間で目標を設定することで、「できなかった」が続くことによるモチベーションの低下につながる場合があります。モチベーションを維持していくために目標の設定をすることは大切になります。
独学で勉強を始める時に、1ヶ月や2週間くらいの目標設定を経験してみてから自分自身に合った期間で目標を作ってみましょう。
介護福祉士の合格基準については、毎回総得点の60%程度を基準とし、問題の難易度で補正されています。
2023年1月(筆記試験)・3月(実技試験)に行われた「第35回介護福祉士国家試験合格発表」の合格率は、84.3%(受験者数79,151人、合格者数66,711人)でした。総得点の70%があれば合格できる可能性が高いという考え方ができます。
自分自身で得点の目標を考える時の参考にしつつ、得意な分野は確実に正確する、苦手な分野を少しでも克服できるように取り組んでください。
介護福祉士試験を独学で進めていくには、一気に勉強するというよりも、日々の積み重ねが大切になってきます。忙しい生活で確保できる時間が限られる場合もありますが、日々の小さな積み重ねが大きな成果につながります。
独学を続けていくなかで、休憩したい、疲れたということもあります。気分転換をしながら、勉強とのメリハリを持つことで、限られた時間で効果的に独学を進めていくことにつながります。
介護福祉士試験は、受験資格を満たしていれば独学で受験に向けて取り組むことができます。過去問を解くなかで、得意分野、苦手分野を見つけていくことが大切です。
苦手分野は教材等で基礎学習をすることが大切になります。実務経験がある方は、自分自身の介護実践と結び付けて考えることも独学していくなかでのポイントになります。
限られた学習時間になる場合も少なくありません。目標を作りながら受験当日を迎えるように独学を進めること、時には気分転換をしながらメリハリを作ることが独学での学習を効果的に進めることにつながります。
少しずつの独学時間の積み重ねが介護福祉士試験合格につながることを願っています。
(c) 2025 LIKE Staffing, Inc.