介護士、医療、介護福祉士の求人、転職、派遣なら【ジョブトル介護】

介護のお仕事お役立ち情報

「介護のお仕事お役立ち情報」は、あなたの就職活動をサポートする情報を紹介します。

  • FaceBook X

    介護士は利用者のわがままに対応するべき?事例や対処法を紹介

    仕事を知る コミュニケーション 2023/12/25

    介護士として働いていくと、施設の利用者の方からさまざまなわがままを聞くことが多くなります。しかし、介護士の立場からしてみると、わがままにどこまで対応するべきなのか悩んでしまうのではないでしょうか。

    そこで当記事では、介護士は利用者の方のわがままに対応するべきなのか解説いたします。また、わがままの事例やわがままへの対処法も紹介いたします。

    利用者からわがままが出る理由

    介護施設で働いていると、利用者の方からのわがままに頭を悩ます場面があると思います。わがままが出る理由はいくつかあり、ひとつひとつ対応が異なるため、疲弊してしまう介護職員も少なくありません。

    しかし、わがままをいわれるからといって、対応を断ることもできないため、ひとつひとつ真摯に対応することが求められます。まずは、わがままが出る理由を見ていきましょう。

    認知症や精神疾患によるもの

    認知症や精神疾患があると、何気ない出来事でも判断が難しく、感情のコントロールが不安定になります。また、認知機能が低下すると、日常的にできていたことができなくなり、自分自身のことや周りの環境への理解が難しくなります。

    例えば、介護職員や他の利用者の方を身内と思ってしまい、家族に伝えるような要望を伝えてくるかもしれません。

    感情のコントロールがうまくいかず、怒りに任せて思いのまま発言し、結果としてわがままとして伝わることもあるでしょう。

    高齢になると、自分で思うようにいかないことが増え、悔しさやプライドから、他者に八つ当たりをしてしまうこともあります。

    不安や寂しさから

    これまで過ごしてきた環境が変わると、誰しも不安はあります。特に高齢の利用者の方は、環境の変化や身体機能が下がることへの不安、家族と離れて生活する孤独感から、寂しさを感じている方は少なくありません。

    そのため、不安や寂しさをなかなか吐き出せず、介護職員や周りの方にわがままをいってしまうケースがあります。

    本来の性格

    長年にわたり培ってきた性格は、人によってさまざまです。価値観が違ったり、自分のペースが乱れたりすると、「どうして?」「今までしていたのに」と反発する気持ちや表現がわがままとして出てしまう方もいます。

    多くの人生経験から形成された、本来の性格や価値観はなかなか修正できないため、他者には、わがままとして受け取られることもあるでしょう。

    介護のプロとしてわがままな利用者と関わる8つのポイント

    利用者の方からのわがままを聞くなかで、どうしたらいいのか困ることもあるでしょう。ここからは、わがままな利用者の方と関わるうえで、必要な8つのポイントを紹介いたします。

    性格や行動パターンを把握する

    利用者の方と関わるには、まず利用者の方を知ることが大切です。性格や関心ごと、どんな行動をしているのかを情報収集しましょう。

    性格や行動パターンを把握すると、その人にあった接し方を検討できます。

    信頼関係を構築する

    利用者の方との距離が縮まると、その人を深く知ることができます。そのためにも、利用者の方の話を傾聴しコミュニケーションをとることは非常に重要です。

    コミュニケーションを通して、性格の理解や利用者の方の不安軽減につながります。また、接するなかで知り得た情報を職員間で共有すれば、よりよい接し方が見つかり、新たな一面を発見できるかもしれません。

    ただし、距離感を間違えると、利用者の方の負担になるため、目線を合わせ少しずつ信頼関係を構築していくとよいでしょう。

    高齢者が起こりやすい心理状態を理解する

    高齢になるにつれ頑固になり、保守的傾向が強くなる方もいます。他人に対して厳しくなったり、疑ったりする感情を持ちやすく、他者を受け入れにくくなる傾向です。身体や精神にストレスが強くかかると、不安や混乱が起こりやすく、せん妄を引き起こすこともあります。

    そのため、高齢者の起こりやすい心理状態を理解し、わがままをいう利用者の方の精神状態を把握することで的確な対応が可能になるでしょう。また、勉強会への参加や情報共有などで、日頃から知識を深めておくことも大切です。

    生活リズムを整える

    高齢者は、昼夜逆転してしまう方もいます。生活リズムが崩れると、夜間不眠や日中の傾眠・食思低下・意欲低下など、さまざまな症状につながります。そのため、一日の生活を見直し、食事や入浴などのリズムを整えることが重要です。

    規則正しい生活ができるよう、まずは日中の覚醒を促していくとよいでしょう。

    状態に合わせた個別の対応を考える

    利用者の方の性格は十人十色で、その日の気分や状態によっても発言や行動は変わります。利用者の方全員に同じ対応をしたとしても、好き嫌いや苦手分野があるのと同じで、合わない利用者の方もいるでしょう。そのため、個別の対応が必要になるのです。

    利用者の方にとって最善の対応をするために、職員同士の情報共有はもちろん、普段の会話で発見した細かい情報から、個別の対応策が見つかるかもしれません。

    家族から情報収集することも、個別対応を考えるきっかけのひとつです。

    接する時間に制限(区切り)をつける

    接する時間を気にせずに対応してしまうと、「この人には何でも頼める」と、わがままがエスカレートして、介護職員に依存してしまいます。

    依存した結果、自分の要望が職員に伝わらなかった場合、精神的な負担やストレスを感じる利用者の方もいるため、適度な距離感が大切です。

    また、利用者の方のプライベートな時間やプライバシーに配慮することも忘れないようにしましょう。

    役割を担ってもらう

    利用者の方に役割を担ってもらうことで、生きがい・意欲・活動量の向上、自信につながります。優しさと考え、どんなわがままにも応えてしまうと、利用者自身のADLやQOLの低下を招くことになるため、注意が必要です。

    利用者の方の得意なことや、何ができるのかを把握して、日常生活の中で役割を見つけて、できることを増やしていくとよいでしょう。

    集中できることを見つける

    意欲の低下があると、何事にもやる気がなくなり、認知機能も低下していきます。感情のコントロールも不安定になり、わがままが増えることも珍しくありません。

    しかし、集中できることがあると、生きがいにつながり脳に刺激を与え、感情が穏やかになる方もいます。利用者の方の趣味や希望を理解し、やりたいことを一緒に見つけましょう

    実際にあったわがままによる困った事例

    ここからは、筆者が経験した利用者の方のわがままによって困った事例を紹介いたします。

    最優先に対応しないと激怒

    いつでも「自分が優先」と自己中心的な男性利用者様でした。脳トレの時間にプリントとペンを配っていると、いきなり席を立ち「(自分が後回しなのが)気に食わん!」と大声で怒鳴り、コップを床に投げつけました。

    介護職員が説明をしましたが、いっこうに聞く耳を持たず、怒鳴りながら自分の部屋へ戻っていったのです。その後もしばらくの間、怒りは収まらず、介護職員に対しての暴言が続きました。

    介護職員に看護業務を強引に頼む

    何事にも構わずわがままをいう女性の利用者様でした。ある時、バルーンカテーテルを抜いてほしいと頼んできたのです。介護職員は医療行為ができないことを説明するも「いいから」と納得されず、違う日には、「インスリンを打ってほしい」や「摘便をしてほしい」と強引に頼んできました。

    対応できないことを伝えると、気分を害してしまい、食事の拒否や介護拒否が始まります。また、「ここの職員は対応が悪い」と家族や他の利用者の方に説明してまわるのです。

    わがままがひどい時の対処方法

    利用者の方のわがままがひどい場合は、さまざまな支障が起こります。ここでは、対処方法を3つ紹介いたします。

    しかし、すべての利用者の方にとって有効な手段は存在しません。利用者の方ひとりひとりのニーズや性格、わがままをいっているときの精神状態など、さまざまな要因を理解し受け入れながら対応することが重要です。

    どこまで対応する必要があるかは定義できない難しい問題ですが、しっかりと向き合う姿勢が重要なポイントになります。

    他の利用者の安全を確保する

    利用者の方の感情コントロールが不安定な時は、怒りや悪態を、他の利用者の方に向ける可能性があります。そのため、他の利用者の方をその場から離したり、周りの家具や物に当たったりしないよう、他の職員と協力しながら安全を確保してください。

    わがままがひどい場合は、放置せずに理由やキッカケを考えていきます。基本的に傾聴の姿勢をとり、コミュニケーションのなかから、わがままの理由を探っていきましょう。

    いきなり距離を縮めると、怒りの感情を悪化させてしまう場合があります。利用者の方の状況に応じた距離感を保ちながら、原因を考えましょう。

    集団生活のマナーを伝える

    施設は集団生活をともにする場です。自分優先や自己中心的な生活は、他の利用者の方に不快感を与えてしまいます。「これだけは守ってほしい」と、伝えたい場合は、職員間で統一した意識を持ち、利用者の方に説明しましょう。

    また、介護職員を不必要に呼んだり、引き止めたりすることは、介護を必要としている利用者の方に手が届かなくなる場合があります。施設は集団生活の場であることを理解してもらい、基本的なマナーをもって生活する必要性を伝えていきましょう。

    ただし、「施設は集団生活の場だから」というだけの説明では、利用者の方は理解できません。必ず、根拠を明確にして伝えるように心掛けましょう。

    「できること」「できないこと」を明確にする

    介護施設では、できないことも多々あります。介護士の医療行為はもちろん、動物の飼育や夜間帯の家族との面会、不要な外出などです。

    利用者の方は、できないことに対しても依頼してくる場合があります。できないことは「できない」と伝えるとともに、なぜできないのか理由を明確に説明しましょう。理由を知ることで納得できることもあるでしょう。

    説明をしても、たびたび対応できないわがままをいう利用者の方もいます。「前にもいったから」と否定するのは、自尊心や意欲の低下、精神症状の悪化などを招きます。優しく傾聴し、真摯に向き合いましょう。

    まとめ

    今回は、介護士は利用者の方のわがままに対応するべきなのか、事例や対処法を紹介してきました。介護職員として働いていくと、利用者の方からさまざまなわがままをいわれ困ることがあります。なぜ、わがままをいっているのか、理由を探り対応していく姿勢が大切です。

    時には、ひどいわがままに遭遇することもありますが、ひとりで抱え込まず、相談や情報共有を通して、最適な対応方法を検討しましょう。

    利用者の方のわがままに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

    FaceBook X
  • お仕事探し術
  • 仕事を知る
  • お仕事探し術
  • 仕事を知る

「ジョブトル介護」は、人材派遣、アウトソーシング、人材紹介、採用・教育支援のライクスタッフィングが運営しています。

(c) 2024 LIKE Staffing, Inc.