介護職の働き方の1つに「ユニットケア」があります。介護士として仕事の選択肢を増やすためにも、ユニットケアという仕事の詳細を知りたい方は多いのではないでしょうか。
そこで当記事では、ユニットケアの仕事内容を解説します。また、ユニットケアとして働くメリットやデメリット、仕事をするうえでの注意点も解説します。
ここでは、ユニットケアについて2つ紹介いたします。具体的には、
それでは順番に解説していきます。
ユニットケアとは、介護施設の利用者の方が自宅に近い環境で生活できるようにケアを提供するスタイルのことです。部屋は原則個室で、10名程度の利用者の方を1ユニットとして介護スタッフが固定配置されます。少人数の利用者の方を特定のスタッフが担当するため、顔なじみの関係をつくりやすい特徴があるのです。
一方、従来型施設では多床室が採用されています。一室に4人の利用者の方が暮らすスタイルです。ケアについても、大人数を対象とした一斉介助が行われます。よって効率的にケアを提供できるメリットがある一方で、利用者の方の個別性を重視するのは難しい側面もあります。
【引用】厚生労働省 ユニットケアについて
ユニットケアの目的は、個別ケアを実現することです。個別ケアでは、利用者一人ひとりの個性や思い、生活習慣に合わせたケアを提供することを意識します。1994年、ある特別養護老人ホームでスタッフが少人数の利用者の方と食事を作り、一緒に食べたことがユニットケアの原点といわれています。
集団生活が当たり前だった介護施設で、「少人数の利用者の方とスタッフが、家庭のような雰囲気で過ごす」ことが注目され始めました。以上のようにユニットケアでは、流れ作業のようなケアをせず、利用者の方の生活リズムや個性を尊重したいという理想・目的があります。
ここではユニットケアでの仕事内容について3つご紹介します。具体的には、
それでは順番に解説していきます。
身体介助とは利用者の方の身体に触れて行う介助のことです。具体的には、以下のようなケアを指します。
身体介助の内容は、従来型など他の施設と大差はありません。大切なのは、利用者の方を中心に考えてケアを提供することです。起床や就寝については、一斉に同じ時間に介助するのではなく利用者の方の生活リズムに合わせます。食事や入浴介助についても同様です。
ユニットケアでは施設が決めた時間ではなく、利用者一人ひとりに合わせたケアを提供します。
生活援助とは、直接利用者の方の身体に触れずに行うケアのことです。具体的には、
ユニットケアでは、利用者の方と一緒に掃除や調理をすることを大切にしています。長時間の作業が難しい場合には、洗濯物を干す・たたむなど一部だけ手伝ってもらうこともあります。役割を持ってもらうことは、利用者の方が自分らしく生活するために重要なのです。
利用者の方とのコミュニケーションは非常に重要です。コミュニケーションを円滑にとることで信頼関係を築けます。また見守ることで、利用者の方の生活リズムや個性を把握することが可能です。コミュニケーションでは、無理に会話を盛り上げる必要はありません。利用者の方の気持ちに耳を傾けることが重要です。
ここでは、ユニットケアで働くメリットについて3つご紹介します。具体的には、
それでは順番に解説していきます。
ユニットケアでは利用者10人程度のユニットごとに、担当の介護職員が固定されます。そのため利用者の方と職員になじみの関係が生まれやすく、一人ひとりに寄り添い個別ケアを提供することが可能です。
利用者の方がどのようなことに喜んだり不快に思ったりするかを把握することで、その人らしい生活を送れるように支援できます。
ユニットケアの利用者の方には、認知症や重度の介護度を持つ方もおられます。身体介助や生活援助、コミュニケーションなど幅広いケアが求められるため、さまざまなスキルを身につけることが可能です。
またスタッフも少人数なので、経験が浅い段階から緊急時の対応などに接する機会も少なくありません。大変な面もありますが、スキルアップにつなげやすい環境といえます。
ユニットケアでは、少人数のスタッフでチームをつくり対応します。よって大人数の施設よりも、スタッフ間の連携が重要です。情報共有を密に行ったり、連携したりしながら仕事をしなければならないので、自然にチームワークを深められます。
またスタッフミーティングなど、よりよいケアを提供するために意見を出し合う機会も多いです。
ここでは、ユニットケアで働く際のデメリットを3つご紹介します。具体的には、
それでは順番に解説していきます。
ユニットケアでは、少人数のスタッフが10人程度の利用者の方をケアします。日中で2〜3人、夜間は1人で対応することが多いです。時間帯によっては、スタッフはマルチタスクを要求されることもあります。
利用者の方の対応をしながら、清掃や調理などをすることも多いです。利用者の方の体調不良時には、休憩中でも対応しなければならないこともあります。ユニットケアでは少人数で対応するため、スタッフの体力的・精神的負担が大きくなることがあるのです。
ユニットケアでは、利用者の方の生活リズムや個性に合わせたケアを提供します。画一的な対応は行わないため、スタッフの裁量に任される場面も多いのです。時間帯によっては、スタッフ一人で対応、判断しなければならないこともあります。
このようにユニットケアでは、スタッフが責任やプレッシャーを感じやすくなる傾向があります。
人間には、性格や考え方、価値観などの違いによって相性があります。ユニットケアでは少人数のスタッフが勤務するため、相性がよくない職員とシフトに入る場合などは苦痛に感じるかもしれません。
大人数の職場であれば相手を避けることも可能ですが、ユニットケアでは難しいです。チームワークが機能しなければ業務の効率が悪くなり、ケアの質も低下してしまいます。強いストレスを感じて、離職してしまうことすらあるのです。
ここでは、ユニットケアで働く際に押さえておきたいポイント3つをご紹介します。具体的には、
それでは順番に解説していきます。
ユニットケアの理想である個別ケアを提供するためには、観察や傾聴する力が不可欠です。利用者の方の行動や表情をよく観察することで、その人がどのようなことを大切にしているのかを理解できます。
また利用者の方の話をじっくり聞いて気持ちに寄り添うことで、信頼関係を築くことも可能です。まずは、観察や傾聴する力を養いましょう。
ユニットケアでは、少人数のスタッフで身体介助や生活援助、コミュニケーションなどさまざまな業務を担当します。一人で緊急対応しなければならない場面もあるでしょう。そのため、スタッフ一人ひとりが介護について正しい知識や技術を持つことが求められます。資格を取得するための学習や、実践を通して経験を積むことで自己研鑽を進めていきましょう。
介護職員が協力して、利用者の方の生活を支えることが重要です。チームワークが機能しなければ、質の高い介護を提供できないだけでなく、ユニットの雰囲気も悪くなってしまいます。利用者の方は雰囲気を感じ取り、安心して生活することが難しくなるのです。
人間関係がうまくいかない場合でも、ひとりで悩む必要はありません。ユニットリーダーや管理者などに相談し、職場全体で改善していきましょう。
今回はユニットケアの仕事内容やメリット、デメリットについて解説しました。ユニットケアの目的は、利用者一人ひとりの個性を尊重し、その人らしい生活を実現することです。そのために利用者の方のニーズや希望に合わせたケアを提供します。
仕事内容は身体介助や生活援助など、他の介護現場と大きく変わることはありませんが、少人数のスタッフで利用者の方の生活リズムに合わせたケアを提供します。マルチタスクになりやすいなどの注意点はありますが、スキルアップにつなげやすいなどのメリットも多いです。
ユニットケアは、利用者の方と接する時間が多い職場です。ユニットケアで自分らしく働きたいと感じた方は、希望の施設を探してみましょう。
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