介護職のシフトは、日勤と夜勤の2交代制が主となります。施設によっては、早番・日勤・遅番・夜勤の4つのシフトに分かれるなど、その形態は業務内容によってさまざまです。今回は、各介護施設のシフト体制や、シフト勤務をする上での体調管理や心構え、夜勤のメリット・デメリットをご紹介いたします。
また管理者の方向けに、シフト作成に便利なアプリやソフト、シフト作成時の注意点についても解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
介護職の現場となる福祉施設は、「入居型」と「通所型」2つのパターンに分かれます。病院や入居型の介護施設では、日勤と夜勤の2交代制、もしくは早番と遅番を加えた3または4交代制のシフトが組まれるのが通常です。そのほか、通所型のデイサービスやリハビリ施設、訪問介護の現場などは日中のみで時間をずらしたシフト勤務が主流となっています。
現存する介護施設の約9割が、日勤と夜勤の2交代制の勤務を主としています。介護の現場では人材不足が蔓延しており、多くの施設が3交代で回すほど職員の数に余裕がないためです。2交代勤務では1回の勤務時間が長くなるため、1週間あたりの休日が増えるように全体のシフトが調整されます。
【参考】日本医療連合労働組合連合会「2019年介護施設夜勤実態調査結果」
3または4交代制の職場は、派遣やパートの方が自分のスタイルに合わせたシフトを希望できる可能性があります。
利用者の方が通所するデイサービスや訪問介護の事業所では、少しずつ時間をずらしたシフトが組まれています。入居型に比べ土日休みの事業所も多く、子育てをしながら日中働きたいという方にもおすすめの職場です。
介護職は、シフト制により勤務時間がばらばらになることが多い職種です。入居型の施設の場合、土日祝日関係なく勤務というケースも少なくありません。中でも、夜勤があるシフトは生活習慣が乱れがちです。プライベートの時間を充実させるためにも、以下のポイントに気を付けながら体調管理を心がけましょう。
早番や遅番などが繰り返されるシフトの場合、日々の生活リズムが乱れがちです。翌日が遅番だからと夜更かしをしたり、早番から戻ってすぐに眠っていては体内時計が狂う原因となります。特に、夜勤があるシフトは注意が必要。夜勤前だからと一日中寝だめをすると、夜勤後に質の良い睡眠がとれなくなる可能性があります。夜勤の前は数時間の仮眠にとどめ、夜勤明けにしっかりと眠り体を休めるように心がけましょう。
勤務時間が固定されている職場であれば、ランチタイムや休憩時間など、決まった時間に食事をしたりお茶を飲んだりすることができます。一方、シフト勤務の介護の現場は食事の時間も乱れがち。毎日決まった時間に食事をするのが難しいというケースもあるでしょう。
特に、夜勤がある場合は一日3食決まった時間に食事をするというわけにはいきません。そのような場合は、朝食だけでも同じような時間にとるように意識してみましょう。早番や遅番が繰り返される場合にも、決まった時間に朝食をとると決めていれば自然と起床時間も定まってきます。
食事の時間が不規則ということは、常に胃腸が働いているということ。健康のためにも、食事は決まった時間にとるよう意識するのがおすすめです。
時間の不規則なシフト勤務に追われていると、ついついプライベートの時間が後回しになってしまいます。週休2日制で土日休みというスケジュールに比べると、まとまった休息時間が取れないと悩むこともあるでしょう。
しかし、そのような場合こそオンとオフの時間にしっかりめりはりをつけ、気分をリフレッシュすることが大切。「休日は寝てばかりいる」「シフト勤務がつらくてそんな気分になれない」という場合は、短時間でも良いので近所を散歩してみましょう。夜勤明けはいつもと違うコースで自宅に帰り、一息ついてから休むというのもおすすめです。
大切なのは、勤務中の気分を一度しっかりリセットすることです。身体的な疲労だけでなく、心の疲れを持ち越さないよう、自分の中でうまくリフレッシュする方法を見つけていきましょう。
介護職の現場では「夜勤はつらい」という声がしばしば聞かれます。その一方で、夜勤のみ働く「夜勤専従」という勤務スタイルも存在します。夜勤にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
夜勤の大きなメリットは、夜勤手当がつき給与がアップする点です。日本医療労働組合連合会の調査によると、シフトによって以下のように夜勤手当がつきます。
夜勤のみ働く夜勤専従の場合には日給が約2万円ほどになることもあり、ダブルワークをする方や、給料を得ながら自分の時間を確保したい方にとって人気の働き方となっています。
また、2交代制の場合は1回の勤務が2日分にあたるため、週の休日日数が増えるというメリットもあります。シフト勤務は休日がまちまちになる中、まとまった休日の時間を確保することが可能です。
【参考】日本医療連合労働組合連合会「2019年介護施設夜勤実態調査結果」
夜勤のデメリットとして挙げられるのが「肉体的、身体的なつらさ」です。夜勤は勤務時間が長く昼夜が逆転するため、疲労が抜けづらくなってしまいます。休憩時間が設けられていても、コールに対応したり日中できなかったカルテ記入をするなど、ゆっくり休めないケースも少なくありません。人手不足の職場では夜勤明けの夕方からシフトが組まれる場合もあり、疲労が蓄積する大きな要因となります。
また、夜勤は職員の数が少なく、緊急時に少人数で対応しなくてはならないというプレッシャーも大きな精神的負担となります。施設によっては、1フロアを一人で担当しなくてはならないという場合もあるでしょう。認知症患者がいる場合には、夜間の徘徊や、何度も鳴るナースコールに対応する必要があります。特に勤務に慣れないうちは「ひとりの利用者の方に対応している間に何かあったら…」と不安になることも多いでしょう。これらのデメリットが「夜勤はつらい」と言われる大きな要因となっているのです。
管理者の立場にある方は、スタッフから休みの希望を聞きながらシフト表を作成する必要があります。それぞれの希望や勤務時間、スキルを持つ人材配置を考慮しながら毎月シフト表を作成することは、決して簡単なことではありません。
勤務時間内に完了しない場合は、自宅に持ち帰って作成を続ける必要もあるでしょう。具体的には、シフト表作成時は以下の点に気を付ける必要があります。
シフト表を作成する際には、各スタッフの勤務条件をしっかり把握しておく必要があります。1日の勤務時間帯、1カ月の休みの回数や夜勤の上限、連続勤務日数にも配慮しなくてはいけません。また、看護師資格を持つスタッフの配置についても考える必要があります。
シフトを組む際、「あの人ばかり休みの希望が通っている」「自分だけ連勤が多い」といったスタッフ間の不満が生まれがちです。介護業界は人手不足が珍しくない職場です。快く引き受けてくれるからと同じスタッフにばかり穴埋めの依頼をすることは、本人の大きな負担となってしまう可能性もあります。
スタッフ間の公平性を保つためには、予め一定のルールを設定しておくことが大切です。「勤務希望を出す際、休みは月〇回まで」「連続勤務は5日まで」というように、全体の勤務バランスが保たれるよう、はじめから考慮しておきましょう。
介護職は、利用者の方へ常に一定の介護サービスを提供しなくてはいけない現場。入居型の施設であれば、人手不足であってもその流れをストップするわけにはいきません。あらかじめ一定のルールを考慮したとしても、その中で誰もが満足するシフトを作成するのはなかなか難しいのが現状です。
そのような負担を少しでも軽減してくれるのが、シフト表自動作成アプリや管理ソフトです。各スタッフの勤務条件、休み希望などを登録することで自動的にシフト表を作成することができます。システムの利用方法さえ把握すれば、誰でもシフト表を作成できるのも大きなメリットのひとつ。新たにシフト作成を担当することになっても、通常の業務に支障をきたすことなく、できるだけ公平かつ適切なシフト表を作成することができます。
施設型の現場に特化したシフト自動作成アプリ。インターネットに接続されていなくても、タブレットがあればいつでもどこでもシフト作成が可能となります。職員数やユニット数などの制限がなく、ユニット単位で簡単にシフト作成できるのがポイントです。
ジョブズマイスターは、クラウド版シフト表自動作成システム。ユニットごとに作ったシフトを、本部で一括管理することもできます。スマートフォンやタブレット端末にも対応しているので、いつでもシフトをチェックできることもポイント。各スタッフの勤務条件の他、曜日で必要な勤務者の人数、新人同士が一緒にならないような回避ペアの設定など、豊富な条件設定が可能なことも魅力です。
介護職はシフト制でさまざまな時間帯の勤務があります。パート勤務を希望される方であれば「昼間の時間だけ働きたい」「高い時給の夜勤のみの勤務がしたいなど、自分の希望する時間帯の職場を見つけることも可能です。
しかし、夜勤も含めたシフト勤務で働く場合は、生活習慣が乱れ体調不良につながる恐れもあります。普段から利用者の方に気配り目配りをし、身体介護で体力を使う介護職ほどしっかりと自分をケアすることが大切。プライベートの時間を有効に使うためにも、食事や睡眠に気を配り、普段から体調管理を心がけましょう。
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