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    病院とは違う?介護施設で働く看護師の仕事内容、メリット・デメリットを紹介

    ぴったりな仕事を探すには コラム 2019/11/18

    病院だけではなく、多くの介護施設で看護師が活躍しています。一方で、介護施設での看護師の業務がわからないという声が聞かれます。本記事では、介護施設で働く看護師の仕事内容や役割、病院との違い、メリット・デメリットなどを解説いたします。

    また2015年厚生労働省により施行された「特定看護師」についてもご紹介します。ぜひ今後の仕事選びにお役立てください。

    介護施設の看護師とは

    介護施設での勤務は、病院と何が違うのだろうと不安に思う方もいると思います。具体的な役割と業務内容は以下の通りです。

    看護師の役割

    一番の役割は利用者様の健康管理です。介護保険では、訪問、通所、入所などサービスが3つに分かれています。訪問看護では、自宅などに住んでいる利用者様の健康管理が役割になります。同様に通所事業所の場合、通ってくる利用者様、入所施設の場合、入所している利用者様の健康管理が介護施設で働く看護師の役割になります。

    介護施設での業務内容

    基本的な業務は、健康管理に必要な以下のものです。

     

    ・利用者様の血圧や体温などの確認と状態観察

    ・定期健康診断の手配や調整

    ・主治医や家族との病状に関する連絡調整

    ・内服管理

    ・インフルエンザなど感染症対策

    ・予防接種の管理

    ・緊急時の対応

    ・処置、主治医より指示を受けた医療行為

    ・喀痰吸引、胃ろう、経管栄養の管理(必要な利用者様のみ)

    ・他職種との連携

    ・食事、入浴や排せつなどの介護業務(施設によって異なる)

     

    訪問看護は主治医からの指示に基づいて必要な看護業務を行います。一方で、通所事業所や入所施設は介護職員と共同で利用者様の生活を支えているところがあるため、施設によって人手がかかる入浴業務や利用者様の状態が把握しやすい食事や排せつ業務などは看護師が一緒に行っている場合があります。

    必要な資格や経験

    介護施設の看護師になるには、看護師免許が必要です。認知症看護の認定看護師や介護支援専門員の資格を持っている人もいますが、これらは必ず必要な資格ではありません。

    ただしある程度の看護経験は必要になってきます。施設の中には他に医療知識のある職員が配置されていないこともあるため、主治医へ相談する際、看護師としての判断が求められるので無責任なことはできません。

     

    たとえば、身体に湿疹が出た場合、看護師が診断するわけではありませんが、経験上湿疹の状態から疑わしい皮膚疾患の対応を行い始めます。湿疹を見つけたのが夜の場合、呼吸困難など重篤な症状がない限り、翌朝の受診になります。いつ診てもらうかの判断、受診に行くまでの対応などすべて看護師が決めて指示を出します。施設の規模によって若干異なりますが、看護師の勤務は1日2~3人程度、時間差で勤務をしているところが多いです。時間帯によっては自分1人のときもあり、病気に対する知識や経験がないと難しい部分があります。

    一日のスケジュール

    ここで介護看護師の一日のスケジュール(日勤の例)を見ていきましょう。

    時間 業務 内容
    8:30 出勤 全体ミーティング
    夜間の申し送り、体調不良者の確認、予定の確認など
    9:00 バイタル測定
    処置のため巡回
    入浴者中心にバイタル測定
    入浴者以外の処置、点眼を行う
    10:00 往診準備
    内服薬の仕分け
    排便の確認
    入浴後の処置
    記録
    往診がある場合はカルテの準備(月数回)
    食事ごとの内服箱へ準備
    排便記録を確認、排便がない場合は下剤や浣腸など利用者様によって必要な処置を行う
    入浴後の処置を行う(介護と協力して)
    午前中の様子を記録する
    11:30 昼食・口腔ケア 内服を配薬
    食事介助を介護職員と一緒に行う
    13:00〜14:00 休憩 昼食休憩1時間
    14:00 往診
    バイタル測定
    処置のため巡回
    入浴後の処置
    往診がある場合は先生について巡回
    その他は午後のバイタル測定(体調不良者中心)
    軟膏や点眼の他、排便のなかった利用者様へ浣腸など
    入浴後の処置を行う(介護と協力して)
    15:00 おやつ ホールで介助を行う
    15:30 施設内カンファレンス ケアマネジャー、生活相談員、介護職員、管理栄養士、機能訓練指導員など他職種が参加し、日々の介護について相談する
    16:00〜16:30 夜間の内服、翌朝の内服準備、排便の確認、物品補充 夜間の眠前薬や頓服などの確認
    翌朝の内服を内服箱確認
    排便チェックを行い、必要な人へ下剤を調整する
    翌朝に備えて足りない物品補充など
    16:30〜17:00 申し送り 夜勤者へ看護面からの引継ぎを行う
    17:00 記録 午後の様子を記録する
    17:30 退勤

     

    以上が日勤帯の例になりますが、施設によっては早出や遅出勤務もあります。往診は施設によって回数が異なりますが、月数回です。その他、体調不良や緊急時の受診、施設内のカンファレンスや会議へ参加があります。特別養護老人ホームや有料老人ホームなど夜間は当番の看護師に連絡をして必要な指示を仰ぐオンコール体制が多く、看護師が夜勤をやっているところは少ないです。

    病院看護師との違い

    病院は治療する場所ですが、介護施設は生活する場所です。そのため、看護師として治療ではなく、利用者様の生活をどのように支えていくかが一番の違いといえます。

    また病気やケガはいつどのようなときに起こるか予想はできません。病院では何か起こった場合、医師が判断し、看護師は指示を受けますが、介護施設では医師はいないため、看護師が判断しなければいけません。病院で長く経験してきた看護師の強みではありますが、病院看護師が一番に判断することがないため、最初は戸惑いのほうが大きいかもしれません。

     

    一方で病院では病棟によって違いはあるものの常に緊張感の中、看護を行っています。しかし介護施設では、特別な医療行為もなく、毎日ゆっくりとした生活を送っている利用者様が多いため、看護師の必要性がわからないと感じる人もいることでしょう。介護施設では痛い思いをせず、自然な形で過ごしたいという高齢者が多いです。口から水分が飲めなければ病院では点滴が開始されます。介護施設では体調に合わせて飲める時間に飲めるものを少しずつ口から介助しています。介護と看護と協力しながらその人らしい暮らしを支えるお手伝いするのが介護施設であり、ここが病院との大きな違いです。

    介護施設で働くメリット・デメリット

    病院と介護施設では業務内容が異なるため、一概にどちらがよいとはいえませんが、介護施設で働くメリットとデメリットには以下のことがあげられます。

    【メリット】

    定時で帰宅ができ、残業が少ない

    介護施設での看護業務は基本的に日々の健康管理です。早朝や夜間に何か急を要する看護はないため、定時で仕事が終わります。勤務時間は日勤帯以外に早出と遅出を行っているところもありますが、30分から1時間前後の時差出勤をしている程度で残業もほとんどありません。結婚、出産、子育てしながら活躍している人も多いです。

    体力的な負担となる業務は少ない

    健康管理のためのバイタル測定、軟膏や点眼、処置、服薬管理が主の業務になるため、病院看護師に比べて負担は軽いといえます。医療的な処置も少なく、点滴や注射などは一時的に主治医から指示があった場合のみで、日々の業務で行うことはほとんどありません。介護職員と協力して、入浴や排せつ、食事などの介助を手伝うことがある程度です。高度な医療行為もないため、結婚や出産などで退職して数年間のブランクがある看護師や年配の看護師など幅広い年齢層の人が活躍しています。

    【デメリット】

    医療的な判断を求められる

    介護施設には医師がいないため、医療的な判断は看護師に任されることが多いです。看護師として病院などでの知識や経験を活かせることにやりがいはありますが、判断に困ることや責任の重さから不安に思うこともあります。しかし医療的な判断をすべて看護師が行うことは難しいときもあるため、背負い込まずにすぐに主治医などへ相談することが大切です。

    看護と医療の違い

    生活の場であっても医療面で大切にしてほしいことが、利用者様になかなか伝わらないことを悩みとしている人が多いです。協力して仕事をしていてもやはり介護とは異なる部分があります。伝わらないことを悩むのではなく、伝えるためにカンファレンスなどで意見を出し合い、利用者様を医療と介護の両面から支えていけるように働きかけていきましょう。

    なかなかスキルアップができない

    介護施設での看護業務は利用者様の健康管理です。このため病院のようにさまざまな患者様と関わったり、日々医療行為があるわけではありません。また医療・看護に関する研修や勉強会が開かれることもあまりありません。

    このため、看護師としてのスキルアップやキャリアアップを考えている人にはあまり向いていません。ただし、看護の経験に介護の経験をプラスしたいと考える方には最適な職場と言えるでしょう。

    仕事探しのポイント

    求人広告やハローワークなどいろいろな方法で仕事を探すことはできます。まずは働くにあたって自分の働きたい条件を書き出してみましょう。長く働き続けるためにはワークバランスが大切です。最初から無理をすると、働きたいと思って働き始めても続けることが困難になってしまいます。

     

    たとえば、「勤務時間は日勤帯だけがよい」「夜勤も可能」「土日祝は休みがよい」などそれぞれの条件があるはずです。介護施設もすべて日勤帯だけではありません。介護老人保健施設や介護医療院など生活の場であっても、医療的ケアを行っている入所施設では介護職員と同様に、看護師も夜勤があり、変則勤務で働いています。通所事業所は土日が休みのところもありますが、入所施設になると土日祝日は仕事というところもあります。

     

    介護施設は「すべて夜勤がないと思った」ということがないように、自分のライフスタイルに照らし合わせて仕事を探すことが大切です。自分の条件に合った求人情報を探すのが大変な場合は、インターネットの転職・求人サイトなどへ登録するのもよいでしょう。専門のコーディネーターがつき、転職の相談や就職先の企業を紹介してくれるサイトもあります。自分の働きたい条件を整理し、自分に合った方法で仕事を探しましょう。

    ニーズが高まる「特定看護師」

    2015年10月に厚生労働省によって施行された『特定行為に関わる看護師の研修制度』によって誕生しました。「特定看護師」は資格が発行されるわけではなく、研修を修了したことによって、特定研修を修了した医療行為について、医師や歯科医師の判断を待たず、手順書により一定の診療補助ができるという制度です。共通科目のほか、区分別科目があり、区分別科目の研修を修了すると修了した科目の特定行為ができるようになります。

     

    介護の分野でいえば、在宅の訪問看護などでニーズが高いといえます。在宅の場合、身体状況によって医療的なトラブルが起きても重度の利用者様の場合すぐに病院受診に行けないことがあります。「特定看護師」の研修を修了した看護師が訪問することにより、本人の負担が少なく医療的なトラブルの治療ができます。また看護師として深い知識を身につけることはやりがいにつながるといえるでしょう。

     

    【参考】
    公益社団法人日本看護協会 「特定行為研修」
    厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室「特定行為に係る看護師の研修制度の概要」

    経験、知識の求められる介護施設での看護師

    介護施設では、看護師として今まで培ってきた知識や経験が活かせる魅力があります。やりがいがある分、医師がいない中、医療行為の判断はとても責任が重い部分です。一方で看護師は少ないですが、1人で勤務するわけではありません。

     

    施設長はじめ、介護職員、機能訓練指導員、ケアマネジャー、生活相談員、事務員、管理栄養士、厨房職員などさまざま職員が介護施設では働いており、仲間がいます。他職種と協力して利用者様が安心して最期まで生活ができることを支えるお手伝いができることは専門職としての誇りです。

     

    利用者様の中には終末期ケアを受けている人もいます。いろいろなことを抱えながらも今日を精いっぱい生きています。人生の大先輩に最期まで関われる介護施設では学ぶことがたくさんあります。ゆったりとした時間の中で、穏やかな顔をして暮らしている利用者様を見ると、働く側の人間も自然と笑顔になります。

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